レポート

Report

2004


[レポート]


シカゴ市立バドロング小学校の子供たちは、日本での思い出を胸に、
家族や友達の待つ母国シカゴへ帰っていった。


第2回スナッグゴルフ対抗戦JGTOカップに、米国から初めて参加した、シカゴ市立バドロング小学校の子供たちは、日本での全日程を終了し、7月7日(水)JAL 10便で、日本での思い出を胸に、家族や友達の待つ母国シカゴへ帰っていった。


成田空港に到着した子供たちは、晴々とした笑顔で出国手続きを済ませ、ゲートに向 かった。7日間の日本での生活は、新しい発見と驚きの連続だった。中にはお金を使ったことのない子供が、米国出発時に親から貰った、僅かなお小遣いを買い物で使い、お金を払い、おつりをもらう、というあたりまえのようなやりとりに感激していた。


帰国前の記念撮影


今回、来日した子供たちは、シカゴの中でも移民が多く居住する地区で、決して裕福ではない子供たちが来日した。米国ではゴルフを始める機会がない子供達に、ゴルフをプレーさせるプログラムを展開中で、このバドロング小学校でも、スナッグゴルフが取り入れられている。子供たちの祖父祖母は、シリア、ヨルダン、プエルトリコ、スペイン、ペルーから移民してきており、全校児童数925名の小学校では、約32カ国からの移民に対し、8カ国の言語による授業を行っている。


合同練習の模様


帰国前日の7月6日(火)には、慶應義塾幼稚舎5年生の子供たちとの交流会に参加 した。前半は学校内施設の見学を行い、環境の整った施設に驚いていた。コンピュータルームでは、Tシャツにコンピュータで作成した絵柄を、アイロンプリントする授業が行われていて、その様子に子供たちは見入っていた。後半はスナッグゴルフの合同練習を行い、無邪気に練習を楽しんだ。慶應義塾幼稚舎 では、スナッグゴルフが体育授業に取り入れられているが、5年生以上が対象のため、今回の対抗戦には参加できなかったが、バドロング小学校との交流により、練習の成果を披露した。


コンピュータルームでの1コマ


成田空港で子供たちは、対抗戦で他校のお友達からもらった、沢山のサインが書かれ たキャップを自慢げにかぶり、充実感いっぱいの笑顔で、ゲートに入っていった。今回の遠征の経験が、子供達にとって、心に刻まれた思い出になったことは間違いありません。


キャップには他校選手の沢山のサインを集めた


出発ゲートに向かう子供たち


第2回スナッグゴルフ対抗戦JGTOカップは立教小学校が大会連覇!


第2回スナッグゴルフ対抗戦JGTOカップは立教小学校が大会連覇を果たした。
立教小学校(東京都豊島区)では、4年生120人の中から、体育授業で行っている スナッグゴルフによる選考を行い、精鋭の6名が選抜された。当日は田中洸輝くんが発熱のために体調を崩し、試合前に病院で診察を受け、スタート直前まで棄権をするかどうか迷っていたが、試合に出場して、優勝に貢献した。
優勝した立教小学校の監督、川上恭弘さんは、立教小学校のOBでもあり、立教新座高校ゴルフ部の監督も務め、また、キャプテン川上裕貴くんのお父さんでもある。川上監督は優勝スピーチで感極まり、その感激に言葉をつまらせ涙した。



メダルの授与を受ける立教小学校の選手


参加選手12校72名での記念撮影


準優勝は壺屋小学校(沖縄県那覇市)で、立教小学校に僅か1打及ばず涙を呑んだ。 終盤では一時、立教小学校をリードしていたが、大詰めになって逆転を許した。壺屋小学校のメンバーは、恵まれた気候と遅い日没時間を活用して、放課後は毎日、練習に励んだ。その成果で、昨年は予選で1打足りず決勝へ進めなかったが、それをバネにがんばった。


壺屋小学校のメンバーは、4年生が1名、3年生が3名、2年生が2名という構成なので、来年以降の活躍も楽しみとなる。
3位には、今年6月5日に宍戸ヒルズカントリークラブで行われた、10校による友部・岩間・笠間地区予選にて優勝を果たした、北川根小学校(茨城県西茨城郡友部町)が入った。3月に初めてクラブを握り、約3ヶ月の練習でその結果をだした。


準優勝の壺屋小学校


北川根小学校は宍戸ヒルズカントリークラブから約3キロという恵まれた場所に位置し、夕方にはコースでの実戦練習も行ったという、地の利も功を奏した。


チーム構成は、女の子が5人、男の子が1人と、女の子パワーで3位に入賞した。
今年のコースセッティングは、昨年と比較して47%距離を伸ばし、パーを34から36に変更した為、苦戦が強いられた。その中で、3名がベストスコア29(-7)を記録した。
地元・北川根小学校の宮本耀平くんは、地区予選でも27(-7)でベストスコア賞を獲得しており、本大会でもベストスコアを連続して記録した。

3位の北川根小学校


嘉数舞美ちゃん(壺屋小学校)は、2年生で出場した昨年の大会では、36(+2)でチームに貢献できなかったが、1年間の努力の成果が実り、大きな成長ぶりをアピールした。9番ホール・パー5では、3打目チップインしてのイーグルで観衆からの歓声があがった。来年も期待される逸材といえるだろう。
馬場隆盛くん(立教小学校)は7バーディと安定したプレーでベストスコアを記録し、優勝に大きく貢献した。


ベストスコア29を記録した3選手


米国シカゴから参加した子どもたちは、来日当初は「絶対、優勝する!」と息巻いていたものの、旅の疲れと時差のせいか、実力が発揮できず、10位に終わった。しかし、日本の子供たちと、文通の約束をしたりと、国際交流を充分に楽しんだ。中に は、自宅から15分以上離れた場所に出かけたことのない子供が、15時間以上の太平洋を横断する大移動を経験し、一生忘れることのない旅行を体験した。


初めての民宿で朝食を楽しむ
パドロング小学校の先生と生徒


対抗戦の翌日、日本ゴルフツアー選手権宍戸ヒルズカップ最終日には、練習グリーン からプロ選手を1番ティに子供たちが導く、「キッズエスコート」が実施された。


子供たちは、緊張の面持ちで、練習グリーンから1番ティまでの僅かな距離を、手と手をつないで、ギャラリーの大歓声と拍手の中に飛び込んでいった。プロ選手はみなニコニコ顔で、子供達と手をつなぎ、戦いの舞台にのぼった。
大会が終了し、参加した子どもたちは、みな笑顔で地元に戻っていった。 また来年の大会を目指して、練習に励む日々が続く。


キッズエスコートの模様


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