台風21号が過ぎ去り、秋らしいひんやりとした風が吹く校庭に、勿来第三小学校の1年から6年の全校児童62名が集まり、地元いわき市出身でLPGAツアーでの優勝実績もある、竹末裕美プロを講師に招いてのスナッグゴルフ実技講習会が行われた。
いわき市立勿来第三小学校でのスナッグゴルフの導入は、東日本大震災における復興支援活動として、一般社団法人日本ゴルフツアー機構(JGTO)が寄贈をしたもので、本年度は他に、勿来第一小学校と勿来第二小学校も寄贈を受け、いわき市ではこれが初めての導入となり、福島県では他に中通り地区を主軸に20校が導入を行っており、その中通りでは、しらかわスナッグゴルフ大会の他、スナッグゴルフ親子大会も開催されており、地域の支援を受けた順調な普及が進行中である。
この日の気温は14℃と肌寒さを感じたものの、校庭に飛び出してきた何名かの児童は半そでに半ズボンとやる気満々。用具の説明のあとの竹末プロのフルショットの披露では、高く遠くに飛んでいくボールの勢いに引っ張られるように、立ち上がって驚きの歓声をあげた。
パット、チップショット、ピッチショット、フルショットの基本動作を学んだあとは、じゃんけんで勝ち抜いた代表児童と竹末プロとのガチンコ対決も行われ、3打のオマケをもらった代表児童がホームとしての熱烈応援を受けて優勝し、直筆サイン入りキャップをゲットしてご満悦の笑顔を浮かべた。
今回の寄贈は、近隣にある五浦庭園カントリークラブからの後押しが、これまでの中通り地区での普及から、浜通り地区への普及に拡大したことにつながった。
同カントリークラブの社長を務める中島篤志さんは、「放課後ゴルフ」という構想を打ち出し、子どもたちが気軽にそして手軽にゴルフ場に足を運んでもらえるよう、ゴルフ場内にスナッグゴルフを体験できるコーナーを作るべく改修に着手しており、小学校、地域、そしてゴルフ場が一体となったコミュニティ作りを始めている。
中島さん自身、幼少期にゴルフに触れる環境があり、学校から帰ってくると当たり前のようにゴルフをし、それが遊びの一部となっていたそうで、その懐かしい原風景を、いま再現しようと自身が経営するゴルフ場を拠点に動き始めたのだ。
福島県内では、ダンロップ・スリクソン福島オープンを主催する、ダンロップスポーツ、福島中央テレビ、日本ゴルフツアー機構の3社と、NPO法人ゴルフタウンしらかわ等が連携し、福島県での新しいゴルフ普及振興策が、今回の寄贈・導入で浜通りまで拡大し、エリアを広げながら今後も継続した活動が展開されていき、畑岡奈紗さんが茨城県笠間市からスナッグゴルフをきっかけに生まれてきたように、福島県からも次の世代を担うスターの誕生に期待がかかる。