ゴルフ日本伝来と日本初のゴルフ場という、まさにゴルフの聖地である神戸市で、ゴルフ普及の新たな取り組みがスタートした。
その新たな取り組みとは、高校と中学のゴルフ部活動を統括する一般社団法人日本高等学校ゴルフ連盟とJGTO日本ゴルフツアー機構の連携により、中高にゴルフ部のある小学校と、その近隣の小学校に、ゴルフの基礎が優しく学べるツールである、スナッグゴルフを寄贈・導入し、そこからゴルフに興味をもった子どもたちが、中高のゴルフ部に進学してもらおうという、子どもたちにゴルフへの道筋を描いてあげる普及策だ。
茨城県笠間市を例にあげると、市内にある小学校11校の全校がスナッグゴルフを取り入れた活動を継続して行っているが、進学する際に中学校にはゴルフ部がないため、他の部活動を選択するしかなく、そのため中学の3年間は勉強と他の部活の合間でゴルフを続け、高校に進学する際にゴルフ部のある学校をチョイスするという流れとなっており、ゴルフの普及にとっては『中学の壁』が高く立ちはだかっていて、これは全国で普及が進む全ての小学校での課題となっている。
笠間市では畑岡奈紗など、スナッグゴルフを経験したプロたちの顕著な活躍もあり、一昨年には全国的にも珍しい公立中学校と県立高校に同時にゴルフ部が創設され、ようやくその受け皿ができたが、これはかなり稀な例である。
そこで高等学校ゴルフ連盟とJGTOの連携による新たな取り組みが、昨年の奈良県奈良市、そして今年の神戸市への展開に繋がっている。
そのゴルフの聖地である神戸での実技講習会は、市内でも歴史と伝統のある、神戸市立住吉小学校で行われることになり、20を超えるクラブ活動の中から、球技を学ぶボールクラブの4年生から6年生の33人が、スナッグゴルフを体験した。
この日の講師は、小学生やジュニアの指導に長けたLPGAジュニアゴルフコーチの轟悦子プロが担当し、パットやチップショット、フルショットなどの基本指導に加え、ゲームの楽しさを伝授するべく、プロと代表児童によるガチンコ対決も行われた。
クラブ活動の時間は6時間目の45分間。
基本指導とガチンコ対決で、あっという間の授業だったが、参加した児童たちからは、『パットだけでもまっすぐ打つのが難しいのにフルショットはとても難しかった』、『人生初のゴルフでしたがとても楽しかった』、『プロと対決したけどまさか勝てるとは思わなかった』など、とても初々しい声が聞かれた。
昨年よりスタートした日本高等学校ゴルフ連盟と連携した取り組みは、始まったばかりだか、今から15年、20年後の成果が楽しみだ。