広島県で2009年からスタートした、スナッグゴルフ支援自販機の売り上げの一部による寄金を原資に、小学校へスナッグゴルフ・スクールセットを寄贈する活動が、9年目を迎えて60校目に達し、その節目となる寄贈小学校での実技講習会が行われ、倉本昌弘などボランティアメンバーがその基礎指導にあたった。
この活動は、倉本昌弘を中心とした広島県ジュニアゴルフ振興会のボランティアメンバーにより展開されている活動で、県内に設置されたスナッグゴルフ支援自販機の売り上げの一部が寄金され、広島市教育委員会を通じて小学校に用具が寄贈される仕組みで、自販機の設置事業者の賛同と協力により成り立つ地域貢献活動で、その設置台数は64台となっている。
記念すべき60校目として、スナッグゴルフ・スクールセットの寄贈を受けたのは、広島市立飯室(いむろ)小学校。
奇遇にも倉本と同じ高校出身という武田一郎校長率いる全校児童114人の小学校は、広島市の北部に位置する太田川流域の山あいにあり、活発でほがらかな児童たちは寄贈が決まった日から、「どんなクラブで、どんなボールで、どんなルールなんだろう。」という質問を先生方が受けていたそうで、この日を首を長くして待ち望んでいたそうだ。
見事なフルショットで歓声を浴びた3年生の海斗くんは、「みんなに注目されてプレッシャーを感じたけど、遠くに飛んで気持ちよかったし嬉しかった。」と、誇らしげに話した。
児童たちと一緒に体験した先生は、「子どもたちは、チーム球技は経験があるが、個人球技は初めてだが、やっていくほど上手になっていき、さっきは当たらなかったのに、コツをつかんで次は当たるようになるなど、上達が自分で認識できるところが良いですね。」と、勉強と同じ上達過程に、その効果を感じていたようだ。
実技講習会のしめくくりに、倉本から児童たちに伝えられたのは、「ゴルフの審判員は自分自身で、自分が審判ということは自分が正直でなければいけない、そして、みんなを思いやる心がないといけません。間違ったことをしてしまったらごめんなさいと言えること、そしてごめんなさいと言われたら許してあげることが大切です。学校生活でも正直で審判になれるようにしてください。」と話すと、皆真剣に聞き入っていた。
尚、この日の午後には、61校目として広島市立久地(くち)小学校にも、倉本をはじめとした振興会のボランティアメンバーが訪問して、全校児童19名という、ほのぼのと家庭的な小学校での実技講習会も行われた。
寒気の南下で、一面銀世界の山あいを走り抜けて駆け付けた倉本は、「この活動を支えてくれているボランティアメンバーと、活動に賛同して自販機を設置してくれている企業の協力の賜物です。1本のドリンクの購入から数円のチャリティによる用具の寄贈という仕組みは、景気に左右されないもの。これからも広島市内141校全校導入を目指し活動を続けていきたい。」と目標は明確だ。
また、振興会の代表で、日本にスナッグゴルフが導入される以前から、アメリカでの情報を基に普及に尽力している枝広美子プロは、「ボランティアメンバーのチームの総力に尽きる。」と、更に拡大を続けるメンバーのモチベーションの高さに感謝の気持ちを忘れない。
茨城県笠間市では、スナッグゴルフをきっかけにゴルフへステップアップした畑岡奈紗さんの日本女子オープンでのアマチュア優勝と、更にプロ転向して米ツアー挑戦をスタートしているニュースも話題となっているが、これだけの導入校数と体験児童数を誇り、充実したボランティアメンバーの体制のある広島県から、新しいスターが誕生する日も近いかもしれない。
【過去の関連ニュース・情報】
スナッグゴルフ支援自販機の設置が広島県からスタート!! (2009年8月27日)
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スナッグゴルフ支援自販機の仕組み