1964年のプロ入りと同時に、名門・宝塚ゴルフ倶楽部に入った。古賀春之輔プロに師 事し、76年には日本オープン、日本プロ、関西オープン、関西プロを制覇。いわゆ る、当時の公式戦“4大タイトル”を手にして、グランドスラムを達成した。
島田幸作は、まさに宝塚市で生まれ育ったプロゴルファーだ。
「私をここまで押し上げてくれた土地。なんとか、恩返しがしたい」。 その思いから、深刻な腰痛で40代にツアー生活から退いたあとも、宝塚ゴルフ倶楽部 を拠点に、後進の指導に熱を入れてきた。理事長をつとめる日本ゴルフツアー機構で は、「世界に通用する若手の育成」をスローガンのひとつに、日々奔走している。
「いずれは、自分のあとを継いでくれる若手がここ宝塚から育ってくれれば・・・」。 島田の、かねてからの夢。 それがいよいよ、3月28日(月)をさかいに、具体的な形となりつつある。
この日、宝塚市役所で、スナッグゴルフのコーチングセットの贈呈式を行った。
弟子の安井純子プロと各1セットずつ。 渡部完(わたなべかん)・宝塚市長の手に託された合計2つのコーチングセットは、 それぞれ宝塚市教育委員会と、市立中山桜台小学校に贈られる。
来月4月25日には中山桜台小学校で、第1回講習会が予定されている。
今回の贈呈をきっかけに、スナッグの輪が市内で一気に広がりを見せている。 「このコーチングセットでゴルフを覚えた子たちの中から、宮里藍選手のような優れ た人材がここ宝塚から誕生してくれれば嬉しい」と、島田。
コーチングセットを託された渡部市長は、擬似ゴルフとも呼ばれ、ゴルフの基礎が易 しく身につけられるスナッグゴルフに興味津々で、「2人のプロを前にして恥ずかし い」と照れながらも、ニュークラブでさっそく“試打会”だ。
市長室の壁に的を置いたアプローチで、みごと満点をたたき出し「これは、面白い! ハマってしまいそうですね」と絶賛した。
ゴルフがルールとマナーを重視するスポーツである点にも着目し「これを機会に技と 人柄を兼ね備えた優れたゴルファーを、ここ宝塚から輩出させたい」と、展望を語ら れた。