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Philip Morris Championship 2000
開催コースのABCゴルフ倶楽部所属の中上達夫
ここABCゴルフ倶楽部の所属選手になって15年。
数え切れないくらい回って慣れ親しんでいるはずのコースにも「いやあ、グリーンが違います。トーナメント仕様になってて、下りのラインなんかいつもの倍以上、速いもの」と、顔をしかめる中上達夫。
「それに、所属コースだけに知り合いの応援が多く、そのプレッシャーがすごく大きくて。8番なんかそれで3パットもしました」と苦笑い。
だが、「以前は、手首を使ったパットスタイルだったので対処できなかった」という速いグリーンも、夏場の特訓で攻略。
「それに、キャディが良かった。何しろ、グリーンなんか僕より知っているくらいですから」と中上は、信頼のおける相棒を起用することで成果をあげた。
中上のプレーを支えるのは、先週の日曜日、一昨年前に引き続きここ、ABCGCの、2度目のクラブチャンピオンに輝いた安原優さん(41歳、会社経営)。
「中上さんにはクラチャンを取るためのアドバイスをいろいろもらったし、そういう、お世話になった恩返しになればいいと思って」と、今週、中上のバッグを担ぐことに決めたという。
効果は絶大だった。
この日難易度1位の9番パー4。残り194ヤードの第2打で、3番アイアンを握った中上に「アゲンストだからクリークに」と諭した。危険な箇所では中上の、攻めたがる気持ちをなだめて安全にパー。
グリーン上では、何度もラインを読みきった。
大観衆が待ちうける最終18番。「ギャラリースタンドは見たらあかん。あれを人やとは思わんときよ」
充分にリラックスさせ、6メートルのバーディパットをカップに沈めさせたりした。
「ほんと、安原さんのおかげです」と中上がいえば、「いや、中上さんは今日は自分のゴルフをされたと思う。本当に良く辛抱されました。キャディって、自分でやるより厳しいですね」と安原さんはねぎらいの言葉。
2人は、決勝ラウンドも力を合わせて大舞台に挑むことを誓い合っていた。