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日本オープンゴルフ選手権競技 2000
直道VS秀道、98年大会の再現だ
98年大会の最終日も、3打差首位の直道に、2位の田中が追う展開。
だが、直道はスタート前から懸念していたパットの不調が出て1バーディ、2ボギーの73とスコアを崩し「6、7発くらいあった2メートル前後のバーディパットを全部はずしてしまった」と悔し涙をのんだ。
一方の田中は、大会史上に残る大きなドラマを作った。直道に2打差をつけて迎えた 18番。田中はドライバーでのティショットを大きく右に曲げ、松林の中へ。しかもボールは松の根元と最悪のライだった。
9番アイアンで林からの脱出を試みたが、松に阻まれ失敗。3打目でグリーンを狙うには、約50センチの木と木の隙間を狙うしかない状況というだった。
思案を重ねたあと、心を決めて6アイアンを短く握り、低い弾道でボールを叩き出すと、一目散にグリーンへ向かってダッシュした田中。
「ヨシ!!」
ボールはグリーンの左端に乗っていた。脱出成功だ。
パーパットは2メートルほどショートしたが、ボギーパットのウィニングボールは、しっかりとカップの中へ。
1打差で直道を振りきって、大会初Vを勝ち取ったのだった。
今年2000年の65回大会は、田中がタイトル奪回に成功するか。直道が2年前のリベンジ&連覇を達成するのか―。