記事
三井住友VISA太平洋マスターズ 2006
昨年の今大会
妻・ヘザーさんがガンに侵され闘病中。
できるだけそばにいたいと、昨年は米ツアーのシード権を犠牲にしてまで出場試合数を減らし、看病に当たっていた。
そんな状況にあってこの週、あえて遠く離れた日本をその年の自身の“最終戦”に決めた彼の心情は、察するにあまりある。
プロ15年目にして初の大会連覇の瞬間は、それまで堪えに堪えてきた感情が、ほとばしり出るようだった。
2位に1打差で迎えた最終18番。13メートルのイーグルパットは、最後のひと転がりでカップに消えた。
右こぶしを天に突き上げ、クラークが吠えた。
優勝インタビューでは一転、静かな声で「この優勝を、妻に捧げたい」と語ったものだ。
その愛妻はとうとう今年8月、帰らぬ人となった。
慟哭を乗り越えて、今度は大親友のリー・ウェストウッドに続く史上2度目の大会3連覇をかけて、ディフェンディングチャンピオンが御殿場に帰ってくる。
翌月9月の米・欧対抗戦『ライダーカップ』ではヨーロッパチーム代表として、3勝0敗と不敗の成績を残し、チームの勝利に貢献。
苦難を踏み台にして、ますます円熟味を増したプレーが期待できそうだ。
そのほか、招待外国人選手としてスペインのセルヒオ・ガルシアが登場する。
やはり『ライダーカップ』で4勝1敗と、チーム1のポイントゲッターとなる大活躍をしたばかり。
デビュー当時はその天分から「神の子」と呼ばれたガルシア。現在世界ランク9位の実力を富士の裾野で存分に披露してほしいものだ。
三井住友VISAカード、太平洋クラブ、 TBS主催の三井住友VISA太平洋マスターズは今年も静岡県・御殿場市にある太平洋クラブ御殿場コースで開催。
8日水曜日には、恒例のプロアマチャリティトーナメントも行われます。