記事
宮本勝昌が登場!!(ジャパンゴルフフェア2010)
お気に入りの選手とめいめい写メールに収まって、サインを受け取る人たちはみな一様に、自然と顔がほころぶ。宮本が持つ独特の空気がそうさせてしまうようだ。
長い行列から離れた神奈川県在住の田中健一郎さんが、奥さんの佳子さんと関心したように、頷き合った。
「いやあ、やっぱりほんとに良い人だなあ・・・!!」。
宮本の人柄に惚れ込んだという田中さんご夫婦は、サイン会の実施を聞きつけ、眠いとぐずる3歳の初菜ちゃんを引っ張って、サイン会開始の11時かっきりに会場に駆けつけた。
JGTO主催の「日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズ」や、自宅近くの戸塚カントリー倶楽部で行われる「キヤノンオープン」に家族揃って観戦に訪れた際に、強く心に残るのはいつも、快くファンに対応している宮本の姿だという。
「なんといってもあの笑顔がいいんです!」と力説した田中さんご夫婦と、偶然にも異口同音だったのが、同県にお住まいの高橋麻里子さん、亜里沙さん親子だ。
「あの笑顔に癒されるんです」と、この日の対面に胸を押さえた亜里沙さんは、いつも宮本の公式ブログを楽しみに読んでいるという。
「たまに更新されていないと寂しくて」という娘さんの亜里沙さんは、今回のサイン会でもその思いをしっかりと本人に伝えた。
「ブログ、楽しみにしています」。
と、すぐに宮本は困ったような顔をして、「それが一番プレッシャーなんですよねえ」との返事にその場がたちまち和んだ。
あとでお母さんの麻里子さんと口を揃えた。「今年こそ、優勝シーンであの笑顔を見せて欲しいです!」。
昨季まで2年連続の選手会長について、「宮本プロがそこにいるだけで空気が変わる。人と人の輪をつなげるオーラがあると思う」と言ったのは、千葉県から来てくださった湊川さんご家族だ。
夫の祐一さんと長女の梨紗ちゃん、長男の将成くんよりもうんと、その魅力にハマはまっているのがお母さんの孝子さん。
家族の手を引っ張って、揃ってサイン会の列に並んでくださった孝子さんは、「宮本プロの姿勢を子供たちにもお手本して欲しい」という気持ちもあったそうだ。
「どんなに大勢の人の中にいても、宮本プロはひときわ輝いていらして。人を惹きつける力があるからこそ2年間も、選手会長という大変なお仕事を勤め上げることが出来たのだと思います。尊敬できるプロの一人ですね」(孝子さん)。
今年は深堀圭一郎にバトンを返した宮本。重責からはひとまず開放されて、“本業”に専念できる。「言い訳がなくなっちゃって、成績も下がるわけにはいかない。かえってプレッシャーなんですけど」と、いつもの冗談めかしたが、内心は胸に期するものがある。
「去年よりチャンスのある年になりそうかな、なんて。そんな予感がしているんです」。
その一番の理由はオフのハワイ合宿に、芹澤信雄が久々に“復帰”したから。
師匠が持病の肩痛の手術に踏み切ってから3年。不在時の昨年は特に、スイングに迷いや不安を抱えながらの開幕となってしまったが、今年はもうそんな思いもしなくて済みそうだ。
次週から、今度はチーム芹澤の地元・静岡に場所を移して兄弟子の藤田寛之と、揃って合宿を重ねる予定にしている。
今年のトーナメント数は25。「僕も25分の1の男にはなれそうな・・・。いやぜひそうなりたいと思います」。
1時間後に契約メーカー「ブリヂストン」のブースでレッスン会が控えているというのに、サイン会の予定時刻が終了しても、さらに15分以上も延長して制限時間ギリギリまでペンを走らせた宮本。
師匠と、大勢の熱心なファンの声援にも後押しされて、実り多き2010年になるといい。