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東建ホームメイトカップ 2008

宮本勝昌「遼ちゃん、待ってろ…!!」

深堀圭一郎から引き継いだ会長職。練習時間が削られるのは覚悟の上だった。オフは慣れないスーツを着て企業を回り、名刺を配って歩いた。さまざまな方々と話し合いの機会を持った。

そんな多忙な毎日だったからこそ「時間を有効に使えた」と振り返る。

綿密にスケジュールを立てて、練習に集中したのだ。
「今まで以上に1球1球、大事に打った。思いのほか、充実したオフが過ごせた」との言葉どおり、大事なこの開幕戦は3位タイと、絶好の位置で大会を折り返した。

「選手会長になって、いち社会人としての自覚も出来た」。
それが、ゴルフにも良い波及効果を与えている。

身だしなみに今まで以上に気を遣うようになり、コースに向かう心構えも変わった。
「今年は特に焦らず、慌てず、諦めず…。今年は、焦慌諦(しょうこうてい)でいきます!」と、いつになく大真面目に宣言したと思ったら、「…って、実はコレ、ジャンボさんのブログからパクったんですけどね」と笑う笑顔には、いつものひょうきんな素顔ものぞく。

サービス精神旺盛な選手会長は、「遼ちゃんはすごい! まるで、ウッズみたいじゃない? 遼ちゃんのおかげで会場に活気があるよ」と、暫定首位に立った石川を絶賛しつつ、自らも黙ってはいられない。

「遼ちゃん、待ってろよ…!!」と挑戦状をたたきつけた宮本。
「遼ちゃんと、最終日最終組で回りたい」。
そして、昨年の借りを返す。
5月のマンシングウェアオープンKSBカップで16歳に1打差で敗れたリベンジだ。
「…遼ちゃん、今度は勝たせてね」。
強気な発言のあとに、すがるように手を合わせて笑わせた。

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