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JCBクラシック仙台 2000
「最後はできるだけ上位に。トップ5には残りたい」
5月の日本プロゴルフ選手権から、3週連続予選落ち。飛距離のないかわりに、安定したパットでスコアをつなぐタイプ。しかし、「そのパットが入らなくなっていた。どうしていいかわからなかった」と牧坂考作。悩みあぐねてすがった先はもちろん、師匠のところ。かつては『九州の若鷹』と恐れられた鈴木規夫だ。現在は、日本ゴルフツアー機構・エグゼクティブディレクターを務める。
鈴木に、「手先を使ってパットしているから。もっとゆっくりとしたストロークで」などのアドバイスを受け、開眼。「先生も、戦ってきた中でずいぶん悩まれるところもあったはず。それだけに悩みの原因を、一目見ただけで理解して、親身になって教えてくださるんです」。
この日は師匠の教えを貫いて、3番で10メートルのバーディチャンスを沈めると、3連続。後半の12番パー5でも、8メートルの長いバーディパットを入れ、ラスト18番。第 2打をピンまで1メートルにピタリ。
「今日はノーボギー。ピンチもけっこうあったけど切りぬけて、きっちり最後も取れたのが嬉しい」と、笑顔でホールアウトしてきた。
「明日はひとつでも上位に。できるならベスト5に入りたい。早く、シード権を決めてしまいたい」と豊富を語ったそばを、コース点検中の“師匠”が通りかかり、「何言ってんだ。まだまだおまえは、修行を積まんといかん」とピシャリ。牧坂は神妙な顔で頭を下げていた。