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ボランティア有志のみなさんが恒例の「チャリティフレンドリーゴルフ大会」を開催
3月23日(月)に、主に関西圏のゴルフトーナメントで活躍するボランティアのみなさんが“決起集会”を開いた。兵庫県のオリムピックゴルフ倶楽部を会場に、恒例のゴルフコンペでにぎやかに歓声を上げた。
女子は、今堀りつプロを筆頭に合計4人。シニアからは橘田光弘プロら3人。男子からは27人。参加した計34人のプロゴルファーたちも、この日ばかりは“接待役”に徹した。
「ナイスショット!」と大きなかけ声でチームを盛り上げる者。手取足取りのレッスンで、日頃の恩を返す者……。
ジャパンゴルフツアーメンバーの上平栄道(うえひらまさみち)は、コンペ前日に風邪を引いてしまい当日は熱もあったが体調不良をおして駆けつけた。
「試合中にもあたたかな声をかけてもらったり、ボランティアのみなさんにはいつも、とても良くしていただいていますから。今日は這ってでも来たかった」。
昨年のチャレンジトーナメントでランク1位に輝いて、今季ツアーの出場権を手にすることが出来たのも「ボランティアのみなさんのおかげ」と感謝する上平が、この日同組で回った加藤ゆかりさんは、ボランティア歴8年。
レギュラーツアーはもちろん、チャレンジや地区競技など、住まいのある大阪府近郊の大会をほとんど網羅するなど男子のみならず、女子やシニアツアーにとっても、もはや欠かせない存在だ。
ゴルフ界は、そんな人々の熱い思いに支えられている。
あいにくこの日のコンペには参加できなかった選手たちも、賞品やチャリティオークション用のグッズを提供するなどして、感謝の気持ちを表した。
2004年にボランティア同士の団結とプロとの懇親、そして社会貢献を目的に「チャリティフレンドリーゴルフ大会」と称して発足したこのコンペは毎年、ジャパンゴルフツアーの開幕直前に合わせて行われている。
入札式のチャリティオークションなどで集まった寄金は検討の結果、今年はシニアプロの髙橋勝成が押し進めるジュニア育成プロジェクト「Kat's Kids Club」に寄贈されることが決まった。
表彰式でチャリティ金の目録を受け取った髙橋は、恐縮しきりで「有り難く役立てさせていただきます」と、約束した。
ゴルフ大会の発起人で、実行委員長の柴田英雄さん(兵庫県・三木市)が、「日本のみならず、いまは世界中が不況の波にのまれていますが、我々ボランティアのパワーで少しでも、ゴルフ界を明るくすることが出来れば」と壇上で挨拶すると、シーズン開幕を目前に、ボランティアのみなさんの心は改めてひとつになった。
ただ、柴田さんの妻・淳子さんには残念なことがひとつだけあった。寂しそうにつぶやく。
「今年は、島田さんの姿が見えないんです…」。
関西在住と言うこともあり、初回からこの大会に参加してきた日本ゴルフツアー機構の前会長で名誉会長の島田幸作は、すでに癌の告知を受けていた昨年も、病状はひた隠しにして会場にやってきて、ボランティアのみなさんに頭を下げて歩いていたものだ。
大会は今年6回目を数えるが「島田さんに支えられて、こうして続けて来られたんです」と、淳子さんは昨年11月の氏の死去を改めて悼んだ。
うっすらと涙を浮かべながら、「トーナメントの会場でも私らボランティアに真っ先に声をかけて気遣ってくださった。ほんとうに優しい方でした」と、在りし日に思いを馳せて「天国でもきっと、ニコニコと私らを見守ってくれるはず。今年もみんなで力を合わせて頑張らなくては……!」。
目頭を気丈に拭い、決意を新たにしていた。
ボランティアのみなさんも待ちわびる…!
ジャパンゴルフツアーの開幕は4月16日(木)。三重県の東建多度カントリークラブ・名古屋で行われる東建ホームメイトカップよりスタートです!!