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ヨネックスオープン広島 1999
好スコアの鍵は…
プロ8年目の北島泰介。出足の1番ミドルで、ピンまで3メートル、グリーン手前のカラーからのバーディパットを沈めると、2番ロングのティショットを左の松の木に当てるハプニングだ。
しかし、急な斜面から7Iでナイスリカバリーを見せ、第3打を6Iでピンまで4メートル。これを決めるとそのままリズムに乗って、3番ショートでは9メートルのバーディパットもきれいに沈めて、3連続。「ショットは全然ダメなんだけど、パットに助けられた」(北島)。
次の4番ミドルで、バンカーに入れてしまった第2打は、ピンまで8メートルも残して「ボギーを覚悟した」が、これも入れてパーセーブするなど、この日は、一時が万事この調子。5アンダー、67でまわり首位発進だ。
「きょうは4番のパーセーブが一番嬉しかった。パティングで、左サイドを閉じてスタンスするように変えたら、感触がよくなったんです。左サイドの開きがなくなって、これまでの引っ掛かりがなくなったんです。ショットがよくないんで不安はあるけれど、明日もスコアを落とさないようにこつこつと行きます」と、気を引き締めた。
同じく首位の松永一成も、「ティショットは左行ったり右行ったり。ほとんどフェアウェーを捕らえられなかったけど、パットがよかった」と、6番から8番まで、いずれも4メートル以内のパットを確実に沈めて3連続バーディを奪うなど、好スタート切った。
「グリーンが硬いし、ラフが長いから、グリーンの手前から攻めるようにしたら、これがよかったね」をほころぶ松永は、実は初日はぶっつけ本番。というのも、現在治療中の左下奥歯が火曜日から強烈に痛みだし、「とてもゴルフどころじゃなかった」。
本番まで唸ってすごし、ようやく初日の朝に痛みがおさまったのだ。
「ショットで、噛み締められない。力まず、欲を出さなかったのがよかったんでしょう」と、“ケガの功名”を自負していた。
手嶋多一は、最後の18番ミドルで、ティグラウンドからグリーンまで左に横たわる池に入れるハプニング。ドロップして3打目でピン奥9メートルに、からがら乗せたのを沈めてパーをセーブ。3アンダー、3位タイにつけた。
「きょうのグリーンは硬いし(ボールの転がりが)速いし、好きなグリーン。なんでかわからないけれど、感覚的にそういうグリーンのほうが僕に合う」。
この日は、「ちょっと曲がり過ぎ」(手嶋)のティショットを、パッティングでカバーした。
初日のグリーンは、ボールの転がる速さが11.5フィート、硬さが12.5。照りつける太陽が、午後からグリーンをさらに硬く、速くした。
「その上、ラフが長いところでは180ミリ伸びている。セカンドでラフに入れた場合、フライヤーと止まりにくいグリーンとの計算に、より気を遣わなければ勝算はない。フェアウェーキープの大切さが身にしみるはず」とは鈴木規夫ディレクター。