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フジサンケイクラシック 2010

石川遼が連覇に王手

3打差の通算8アンダーは、2位タイに6人がひしめく中で、3打差つけてトップに立った。石川が大会連覇に王手をかけた。

この日3日目は、杉並学院高時代は2つ先輩と、直接対決。17番パー5で1メートルのバーディパットを決めて、かたわらの薗田峻輔が、感心したようにつぶやく。

「遼は、本当にインコースが得意なんだな」と言われて、ただ苦笑いで応える。

過去3度の出場を振り返っても石川は、ここ富士桜はアウトの9ホールより、圧倒的にインコースのほうが、スコアが良いというデータがある。

この日も1イーグルと2バーディで盛り返したバックナインに対し、アウト9ホールは1バーディ、2ボギーと伸び悩んだ。
「前半は、確かに苦しいラウンドだった」。

その鬱憤を最初に晴らしたのは後半の14番。
手前のカラーから、4メートルを沈めて思わず2回。上から下へ。強く振り下ろした握り拳は「ずっと我慢が続いていたので」と、照れ笑いだ。

さらに次の15番は2番アイアンで、259ヤード先のグリーンを捉えると、7メートルのイーグルパットをねじ込んだ。
自身初の連覇へのカウントダウンが始まった。

それを、「阻止する」と、正面きって宣言したのが薗田だった。
後輩の好プレーを心からたたえながらも石川に、きっぱりとこう言ったのだ。

「明日は、前半で遼に3打差はつけていかないと勝てないな」。

「ジュニア時代から薗田先輩はそうだった」と、石川は振り返る。
「絶対に勝つ、という姿勢が最終的に、勝利を引き寄せる鍵だということを、いつも僕らに見せてくれるから」と、笑みさえ見せて「僕が、薗田先輩を好きなのは、そういうところ」とますますニッコリと、「僕も、明日は最後にスコアカードを提出するまで絶対に油断しません」。
昨年は、史上最年少の賞金王に上り詰めてもなお、石川が尊敬してやまないのが薗田だ。
憧れの人の挑戦も正面から受けて立ち、栄光への道を突き進む。

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