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東建ホームメイトカップ 2010

宮本勝昌が首位タイ浮上

ジャパンゴルフツアー開幕戦は2日目を終えて、大会の歴代覇者がトップに名を連ねた。上田諭尉が2007年なら、宮本は翌2008年のチャンピオン。

「・・・・・・でも僕らだと、盛り上がらないよねえ?」と、自嘲の笑みだ。
この日2日目は午後スタート組で、寂しい思いをした。午前スタートの石川遼が早々とコースを去ったからだ。

午後から大雨の天候も手伝って、18番のギャラリースタンドには、数えるほどしかお客さんがいなかった。
「いやあ、遼くんがいないとこれだけゴルフ場が静かなのか、と」。
昨年まで2期連続の選手会長は、やっぱりそういうことが気になる。

今年は、深堀圭一郎に譲った今も、若手選手に今だに「会長」とあだ名されるなど、すっかり板についた感がある。
本人も「会長じゃなくなったら緊張感もないし、あまり名前も露出しなくなってしまった。寂しいから、また来年もやろうかな」と、次期の再任をほのめかしたほど。
昨年までの余韻も手伝って、「みんな頑張って、ツアーを盛り上げよう」と、呼びかけた。

とはいえ、重責から開放された今季は、今まで以上に調整に力を入れることが出来たのも確かだ。あいにくこのオフの地元・静岡県の御殿場は雪が多く、ラウンド合宿は制限されたが、その分、師匠と密度の濃い時間を過ごすことが出来た。

コースに出られない日は芹澤信雄の自宅を訪ね、室内の“鳥かご”で気の済むまでレッスンを受けることが出来た。

「でも練習と本番は違う。実際に、今日も自分のイメージとは違うスイングが多かったのでボギーも多い。練習が本番でやれるかは、永遠のテーマですね」と、6バーディ4ボギーの内容には不満も見せたが通算3アンダーは、今季の目標でもある「開幕戦V」に、大きく一歩、近づいた。

実は、宮本は2006年から今大会まで103試合連続出場を継続中だ。これは、現在のシード選手の中で最長記録となる。
こう書くと、いかにも強靱な体力を持つ“鉄人”のイメージがまず来るが、宮本が強調したい部分はそこではない。

年間を通じて全試合出場を果たすには、大きな関門がある。
ツアー最終戦の「ゴルフ日本シリーズJTカップ」は、その年の優勝者と賞金ランキング25位内など、限られた選手しか出られない。
そんな頂上決戦に出続けていることに、宮本は価値を置いている。

昨年は開催直前の土壇場で、賞金ランクの資格で辛くも潜り込んだが「やっぱり、あの大会には勝って出たい。出来れば早めにその権利が欲しいから」。
開幕戦で、早くも最終戦のことを考えているところがいかにも宮本らしいが、「開幕戦V」を狙う理由は、そういう強い願望も含まれている。

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