CS放送ですっかりおなじみの顔が、上位に浮上した。
ベテランの冨永浩。成城大学卒業後にアメリカに留学して身につけた英語力が買わ れて、ツアー出場のかたわら主に米ツアーのテレビ解説をつとめるようになって早 や、5年がたつ。
今年の全米オープンでは、はじめて現地リポーターも経験した。自身も86年にマン デーから挑戦して本戦突破を果たしたメジャー戦を、「今回は違う視点から眺めるこ とができた」と冨永はいう。
米ツアーはタイガー・ウッズ一色のようにも見えるがその一方で、とても個性豊な選 手たち がひしめき合い、しっかりと自分の地位を確立している。
優勝争いをしたジム・フューリックをはじめ、Ｖ争いのデビッド・トムズやケニー・ ペリー等々・・・。
「観察していると、彼らは自分のスタイルを客観的に見てそれを貫き通す強さを持っ ていることがわかります。その中で、アマチュアのリッキー・バーンズとかイケイケ 選手もいて、米ツアーはほんとうに興味深い。その中で僕が盗めるものといえば技 術というよりはむしろ、ゴルフに対する姿勢。一流選手のゴルフに対する取り組み 方、さらに上を目指す気持ちが、今の自分にはとても勉強になるんですよ」。
昨年のファイナルクォリファイングトーナメントはランク50位で、今年はほとんど出 場の機会がないが、米ツアーの選手にならって「出られる試合は1試合1試合、しぶと く。精一杯に戦うつもりなんです」。通算9アンダー、５位タイで挑む決勝ラウン ド。 42歳は少ないチャンスを、最大限に生かすつもりだ。