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宮本勝昌 『ハーフ“29”で大会レコードタイ!』(WGC−3日目)

「自分でも、プレーの途中でスコアがわからなくなっちゃった感じなんですよね。」

WGC−ブリヂストンインビテーショナル3日目。
宮本勝昌が、1イーグル、7バーディ、1ボギーの62(OUT33−IN29)でラウンドし、3日間トータルで5アンダー、10位タイまで順位をあげた。
ハーフのスコア“29”は大会タイの記録だが、インコースに限って言えば大会レコードだ。
また、今までの自身のベストスコアは63だったが、その記録を、世界のトップランカーが集まる試合で更新した。

「自分的には、そんなに劇的な変化はなかったんですけどね・・・。」
しかし、前兆はあった。スタート前のパッティンググリーンで、5m前後のミドルパットを面白いようにカップに吸い込ませていた。
“前半のチャンスホール”と位置付けるPar5の2番できっちりバーディー。次の3番でもバーディーを奪った。4番をボギーとするものの、9番でバーディー。前半を33で折り返した。
後半に入って、11番、12番で連続バーディー、14番、15番でも連続バーディーを奪った。
圧巻だったのは17番Par4。ティーショットをフェアウェイ左のバンカーに入れたが、ピンまで残り117ヤードをピッチングウェッジで直接カップイン。大歓声がコースを包んだ。

特に後半は自分でもスコアがわかなくなるような感じがあったそうだが、そんな中でもリラックスしてプレーできていたと言う。
「今週は、契約先のブリヂストンさん大会ということで、スタッフの方々もいつも日本で見る顔ばかりで、何の不自由もなくプレーできているのがこういう結果を出せたんだと思う。みんなに感謝ですね。」
今の心境は?との問いかけには、「いやぁ、信じられない、夢のよう、興奮している、そんな感じですね。」

昨日までのラウンドとの違いを聞かれると、パッティングのフィーリングが変わったのだと言う。昨日のラウンド後のパッティングの練習で、目線のズレがあることに気が付いた。「たまたまそのズレが上手く見つかってね。今日はピンの位置がかなりシビアだったけど、6m、8m、10m全部入った。パットが決まっていて安心感があったので、ショットも体が自然とまわりましたね。」と好循環のラウンドを振り返った。

日本では、宮本が使用するオレンジ色のボールは周知されているが、こちらのアメリカのギャラリーは、オレンジボールに興味津津。
ホール毎に子供達からボールをねだられ、気前よくプレゼントしていたら、キャディーのピーターさんから、「あんまりボール持ってきてないんだから、あげ過ぎちゃダメ!」と怒られる始末。。。
ラウンド終了後に、大会のオフィシャルインタビューやテレビ局のインタビューに引っ張りだこで、必ず「オレンジボールはいつから使ってるの?何でオレンジ色なの?」と聞かれ、「アメリカの人達や世界の人達にもっとオレンジボールを見てもらえるように、これからもがんばりますので!」とコメント。

宮本は1999年の1年間、USPGAツアーに参戦している。
その当時から、チェーン店のファミリーレストランにあるチキンウィングがお気に入りで、昨夜もそれを頬張ったそうだ。
「アメリカの食事はおいしい!チキンウィングは本当に最高で、ビールが止まらないんだよね!」
1999年のUSPGAツアー参戦中は、ビュイックインビテーショナルの初日に首位に立って、スコアボードのトップに名前が載った。
「今週も、スコアボード(の1枚目)に名前を載せたいね。」

「今日のゴルフは100点満点。それだけに明日が心配。」と記者を笑わせたあと、
「明日は、ここまできたら最後まで楽しみたいね。1つでもスコアを伸ばすことを考えてプレーします。」

今日のラウンドで、ここ一番での爆発力の健在ぶりを証明した宮本。
明日のラウンドは最後まで楽しみながら、且つ粘りのゴルフで、日本人選手の意地を見せてもらいたい。

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