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西軍が3大会ぶりの賜杯奪還!!第11回ガン撲滅基金 高松宮妃賜杯争奪 ゴルフ東西対抗競技大会

スタート前、両軍分かれて行われる大会恒例の選手ミーティング。その席上で、西軍キャプテンの倉本昌弘は、この日のゲームについてこんな筋書きを描いていた。
「はじめ西軍優勢ですすみながら途中、追いつかれて逆転されるが、接戦の末に、再逆転で西軍の勝利!」。賜杯の奪還を誓いあった西軍メンバーたち。

第11回大会は、この言葉どおりのゲーム展開となった。

最終組のひと組前、西軍の森末慎二さん&川岸良兼ペアが、10アンダーの大量リードで勝ち星をあげて、両チームのポイントは11対11。
勝負のゆくえは、最終組しだいという展開に、シビれまくったのは西軍の谷口徹だ。

東軍の栗田貫一さん&伊沢利光チームに、1打リードのイーブンパーで迎えた18番ホール。
相棒の原辰徳さんが、第2打をグリーン奥に打ち込んだ。
続く谷口の第3打目は「みんなが、あんまり騒ぐもんだから…。普通なら何でもないアプローチで、むちゃくちゃ緊張してしまいました」と、大きくショートだ。

対する東軍は逆に、バーディパットを大きくオーバーさせた。
いよいよ、勝負は次のパーパットで決まる。
両チーム全メンバーの視線が、いっせいに注がれる。
息詰まる場面。
5メートルのパーパットにのぞんだときの心境を、原さんはこう振り返った。
「日本シリーズの最後の打席みたい…。外れたら、それで終わり。シビれた、なんてもんじゃなかったですよ!!」。
原さんの打ったボールがカップに沈んだとき、あたりは興奮に包まれた。
西軍が、実に3大会ぶり4度目の勝利を手にした瞬間。
メンバーたちはいっせいに、グリーンになだれ込んだ。
肩をたたきあい、健闘をたたえ合う。
13対11。僅差での勝利に、胸を撫で下ろす。

「最後は谷口君に足を引っ張られ、最後までハラハラさせられましたけど、久しぶりの優勝は嬉しい。…本当に嬉しいです!」(西軍キャプテン倉本)。

「もし、負けてたら僕の責任。みんな、僕を陥れたいのか…と思いましたよ(苦笑)。最後は、生涯最高に緊張してました」(最終組の谷口)。

「まさに“大ホームラン”での優勝だね。いやあ、楽しかった。血が沸き立って、まるで現役時代の勝負魂が復活したみたい。それにしてもこの大会は、僕が出たら必ず西軍が勝つんじゃない?!」(最終組の原さん)。

高松宮妃賜杯を誇らしげに掲げるメンバーたちは、次の連覇を誓いあった。その姿に、これまで3勝7敗と劣勢ムードだった西軍の、黄金時代の到来を予感させた。


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