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NST新潟オープンゴルフ選手権競技 2000

「今週は行けそうです、たまには本も読むモンですね」

松永一成は、ふと読んだレッスン書に刺激を受けて3位タイ。

 出だし1番、3番でラフに捕まってパーオンできず、ボギー発進。
 これまでボギーが先行すると、あっという間に崩れて立てなおしが効かなくなってしまうのがパターンだった。だが、この日の松永は違った。
 「今週は、なんだか妙に自信があったんです」
 4番から再三のピンチにも耐えしのぎ、9番で2オンに成功して2パットのバーディでイーブンにして折り返すと、「インコースは、ほとんどOKパーのようは感じ」と絶好調。5バーディノーボギーの31でまわってトータル66、5アンダーで3位タイにつけた。

 自信の源は2週間前、ふと手に取ったゴルフ雑誌だ。
 60年代、流れるようなワンピーススイングで大活躍した、台湾の陳清波プロのレッスンが載っていた。そこには、今の松永にとってヒントになるアドバイスが一杯詰まっていた。
 「鋭角的にクラブをいれていく、いわゆるL字スイングについて書かれてあったのですが、それが、しばらく忘れていた自分のイメージにピッタリ合ったんです」陳プロのアドバイスどおり振ってみると、「バッチリ良くなりました」と、いきなり効果があらわれた。
 「陳さんがおっしゃっていたのは、ツアープレーヤーにとっては、ごく基本的なことでした。でも、近頃の僕は結果を求めるあまりつい焦って、当たり前のことができていなかった。インパクトで合わせにいってたんですね。そのことに気付かされた。
 今は、陳さんのおかげでスイングのタメも出来て、アイアンショットも上がって止まる、非常にいい球が打てるようになってる。たまには本も読んで見るもんです。今週は、行けそうな気がしますよ」
 自信も取り戻し、松永が確かな手応えを掴んでいる。

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