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2004 アジア・ジャパン沖縄オープン 2005

アジアンツアーで戦う日本人プレーヤーたち

アジアンツアー(AT)と、ジャパンゴルフツアー機構(JGTO)との共同主管で開催されているこのアジア・ジャパン沖縄オープンは、両ツアーいずれかの出場資格を持つ27カ国、計126人の選手たちが参戦。

中には、アジアンツアーでの資格でここ沖縄にやってきた日本人プレーヤーも何人かいる。
すし石垣と溝口英ニもそうした選手である。

溝口(=写真上)は、持病の腰痛の悪化で昨シーズン、日本ツアーのシード落ち。それを機にアジアンツアーに初挑戦した。
「移動も大変だし、気候も食事も自分には合わないと思っていたけれど…」。

賞金総額こそ日本ツアーよりも低いが、戦う選手たちのレベルは「むしろ、日本ツアー以上かもしれない」と、溝口はいう。

さまざまな国の選手たちと競いあっているうちに、試合勘も戻ってきた。
腰の具合も、徐々に快方に向かい、2週前のオメガ香港オープンで、75位に入って賞金ランク58位でシード権を確定させた。

晴れてアジアンツアーのシード選手として舞い戻ってきた今週は、実は風邪で39度の熱がある。
それでも、出場を強行したのは今年から、沖縄県のブセナゴルフ&リゾートと、所属契約を結んでいるからだ。

スポンサーの地元開催で、「休むわけにはいかないんです」。
体調不良を押して、懸命に戦っている。

すし石垣というユニークな登録名で戦っている石垣聡(=写真下)は、2001年の本格参戦から今年でアジアンツアー5年目。
かねてからコーチの後藤修氏に師事しているが、最近、ようやく試合の緊張感の中でも師匠の教えを実践できるようになってきた。

「ひとつ出来ることが増えると、技術面のみならず、メンタル面もレベルアップしていく。それが実感できると、ツアーで戦うことがますます面白くなっていく。…これを続けていけたら、いつかトッププレーヤーの仲間入りができるのでは、という確信が沸いてきて、自信も増していくんです」
と、目を輝かせる。

今季のアジアンツアーの賞金ランキングは42位。
今年は日本ツアーのファイナルQTでも24位に入り、母国ツアーの出場権も手に入れたが、石垣は「これからも、日本だけにこだわるつもりは毛頭ない」という。

石垣にとってアジアは、よく言われる「単なる修行の場」ではないのだ。

「…そこに試合があるのなら、どこでも出かけて行って戦うのがツアープロの生き方。そこがアジアであれ、日本であれより多く賞金が稼げる場所を求めて、これからも旅を続けていくつもりです」。

…この2人の旅人の行く末にも、ぜひ注目してほしい。

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