記事
中日クラウンズ 2009
飯田耕正さんがベストアマチュア賞を受賞
通算6オーバーの59位タイには「トッププレーヤーの方に比べたら、技術もショットの精度もまだまだ」と反省を口にしつつ、「良いのも悪いのも含めて一生に残る4日間、幸せな1週間でした」と、充実感を滲ませた。
普段は大型トラックの運転手で家計を支える35歳。
一方で、大きな夢を追いかけている。
昨年、アマチュアのままツアーの出場優先順位をかけたクォリファイングトーナメント(QT)に挑戦。
ファイナルQTまで駒を進めたものの、ランクは82位と奮わなかった。
この順位では、ツアーに出場できる可能性はほとんど皆無といって良かったが、チャンスがないわけではなかった。
ただ、実はこの中日クラウンズの出場権は、それ以前に中部アマプロ選手権の資格ですでに獲得しており、当然のことながらプロ転向を宣言すればその権利は失われる。
飯田さんは大いに迷ったが、「僕の目標は、プロになることではなく、トーナメントに数多く出場すること」。
すでに今大会で4回の出場経験を持つ飯田さんは、すっかりその魅力に取りつかれていた。
そして、コースにほど近い愛知県・蟹江町在住のトップアマでありながら、地元開催の今大会で一度も予選通過していないことが悔しかった。
「今年はもういちど、アマチュアとして挑戦してみよう」と決めた5度目の挑戦で、初の決勝ラウンド進出。
まして50回の記念大会でのベストアマチュア賞受賞に、「僕は本当に恵まれた男です」と、胸を押さえた。
週末の和合に教えられたことは、「1ショットで楽をしようとしないこと」という。
この難コースでは、ピンやバーディを狙って打つほどに、チャンスからは遠のいていく。
「10回に1回しかできないような厳しい勝負を挑むより、正確で確実な1ショットを重ねていくことが大事なんだ」。
そう痛感したという。
今回の経験を糧に、「もっともっと練習を重ねて上手くなって、また帰ってきます」と飯田さん。
今年ももちろん、QTに再挑戦するつもりだ。
飯田さんが、次に迎える和合はもしかしたらツアープレーヤーとして・・・となるのかもしれない。