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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2010

松村道央は2週連続Vで「ベストサポート賞をもらう」

その年の優勝者と国内のみの賞金ランキング25位までの選手しか出られないこの「ゴルフ日本シリーズJTカップ」に初出場を果たした選手は9人いる。

ルーキーイヤーはデビューからわずか5試合目のミズノオープンよみうりクラシックでツアー初優勝をあげた薗田峻輔

まだ未勝利ながら、今季2位2度で賞金ランキングは11位につけて、これまたルーキーイヤーの初シード入りを果たした金度勲(キムドフン)

賞金ランキング17位は、韓国系アメリカ人のジェイ・チョイもまた、ルーキーイヤーにして初シード入りした選手。

もはやシードの常連も、賞金ランキング19位の資格で今年初めてこの頂上決戦を迎える韓国系アメリカ人のH・リー

誰よりも早いツアー初優勝が待たれる上井邦浩は賞金ランキング23位につけている。
ベテランの原口鉄也は、初出場のこの最終戦で、いよいよツアー初優勝を狙う。
野仲茂は8月の関西オープンで39歳にして、歓喜の初優勝をあげてこの初舞台の権利を得た。

ジャパンゴルフツアーメンバーの盧承烈(ノスンヨル)は、欧州ツアーのマレーシアオープン優勝の資格だ。

そして、初出場組の中で、最上位の堂々5位につけるのが松村道央だ。
賞金ランキング1位でこのツアー最終戦を迎えた選手の名前をあげて、「キョンテにベストサポート賞をもらわなくちゃね」と、おどけた。

そのココロはまず、10月。母国の韓国ツアーは、金がスポンサー契約を結ぶ新韓銀行が主催する大会と日程が重なり、賞金レースの最中にもかかわらず、コカ・コーラ東海クラシックは欠場するしかなかった。

金の留守の間に、金のライバル・石川遼の連覇を阻止して、ツアー初優勝を挙げたのが、松村だ。
金とは同じクラブ契約先という縁もあり、普段から練習ラウンドや食事を共にする。国境を越える大親友は、そればかりか、先週はカシオワールドオープンで、これまた金と賞金王争いを繰り広げる池田勇太の2週連続Vを止めた。

先週は特に、金が珍しく3連続ボギーを打つなど最終日に崩れただけに、松村本人には計らずも、韓国人初の賞金王誕生にむけての、最高の“アシスト”となった。

そしていよいよ賞金王が決定する今週は、「先週よりも、さらに調子が上向いている」というだけに、松村の2週連続Vの可能性も十分にありえる。
賞金ランク2位の石川も、同3位の池田も、この最終戦で勝たなければ逆転賞金王はなくなる。
金の王座が決まる。

今週月曜日に、参加者30人を超える祝勝会にも、すっかりゴキゲンの松村。
「今のうちに、キョンテにもう1回言っておこうかな。ベストサポート賞、よろしくね、って」。冗談ぽく笑った顔も、もはや通算2勝の自信に満ちている。

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