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サントリーオープン 1999
勝負は最終18番までもつれこんだ
プライスのティショットは、ピンまで残り132ヤード。丸山のティショットは、そのもう少し先、残り127ヤード地点の右ラフに、縦に並ぶように落ちた。プライスは順目のラフにポソンとはまったようなライ。丸山のは、すっぽり埋まってしまった状態だった。
いずれにせよ、距離感の出しにくい、難しいライからのショット。高く上げて、小さなグリーンにピタリと止める。そんな高度な技術が要求される場面。
丸山より先に打ったプライスの第2打は、圧巻だった。
ピッチングウェッジで放たれたボールは、ピン手前に落ちて、右真横1,5メートルにピタリ。
「きょうのピンの位置は左(手前から14ヤード、左から5ヤード)だったから、ティショットは右目に落すつもりだったけど、狙いより3ヤードくらい右にいきすぎてラフにいってしまったんです。でもラフは、それほど悪いライではなかったから助かりました。で、今度はそこからピンの5,6ヤード右端をねらって打ったら、いい具合のところに落ちてピンに向かっていきました」(プライス)。
対する丸山のサンドウェッジでのショットは、これもピン右真横。だが、残り13 メートルと、寄せきれなかった。
「プライスさんのショットは本当にうまかった。ピッチングウェッジでのフルショット。素晴らしかった。あれは、経験をかなり積んでいないとできないよね。
ぼくのショットは、サンドウェッジではきつい(足りない)、ピッチングウェッジはデカイという中途半端な距離だった。自分ではピンをねらっているつもりでも、フェースが開いて入った分だけ、右に多く出たんだ」(丸山)。
なんとしても入れなければ、Vのチャンスが消える丸山のバーディパット。「当然、入れるつもりだった」13メートルのフックラインは、ピン手前1メートルのところで、止まってしまう。
これを見届けてから、プライスはじっくりと、ラインを読んだ。
横から。向かい側から。さらに、真上から。
そして、「カップのボール2、3個右」と読みきって、ゆっくりと、確実に、1メートル半のバーディパットはカップに落ちた。
ようやく見せた笑顔。この日初めてのガッツポーズ。
「マルのせっかくのバースディVを盗んだようで、心苦しいね。でも、自分にとっても、今回の優勝は、ぜひ獲りたいもの。だから、とてもハッピーだヨ」(プライス)
「ちっきしょ〜! プライスさん、やっぱつえ〜な〜。次には必ずまかしてやる〜!!(笑顔)。でも、きょうは久しぶりの優勝争いで素晴らしいゴルフができたと思う。ニックさんのゴルフもほんとうに素晴らしかった」(丸山)