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日本オープンゴルフ選手権 2010

ハン・リーが単独首位に(初日)

シード1年目の2008年に6位、2年目の2009年は2日目に首位タイ。そして今年も初日に単独首位と、毎年この日本オープンで、上位に顔を見せる“常連”だ。

身長190センチ、体重91キロの恵まれた体格は、大会名物の深いラフに打ち込んでもむしろ、「飛びすぎて困る」というほどのパワーの持ち主。

そして何より「タフなコースが大好き」と、きている。ゴルフはミスをどうカバーするかを競い合うスポーツと言われるが、「僕はピンチになれば、なるほど燃えるんです」。
まさに、このゴルファー日本一決定戦にはうってつけの性格が、何よりの武器だ。

とはいえ、この日初日はピンチらしいピンチもほとんどなかった。
ワンオン狙いの15番パー4(319ヤード)は、一度グリーンセンターを捉えたが、勢いあまって奧に転がり落ちたほど。そこから3連続バーディで波に乗ると、そのあとも危なげないゴルフでボギーなしの65をマーク。

圧巻の6アンダーは、持ち前の飛距離とパワーだけでなく、大きな体を器用に使った小技も冴えた。
グリーン上では長尺パターの距離感を何より大切にして、「集中して打つことが出来ました。今日は完璧のゴルフ!」と、満面笑顔で自画自賛。

初来日は、2007年。実は一番、ゴルフに悩んでいたころ。
2001年に参戦した欧州ツアーでも芽が出ず、翌年から3年間は、米ツアーの二部組織にあたるネーションワイドツアーで戦ったが「本当にまったくダメで」。
本気で転職を考えたのもこの頃。
先週、13年ぶりにツアー通算2勝目を挙げた横田真一ではないが、「僕も新しい仕事を探した時期があったんです」と、遠い目をして打ち明ける。

しかし、一念発起で海を渡った日本で、ようやく自信を取り戻した。
もはやシードの常連は、「今は、こうしてゴルフが出来るだけで楽しくて。あのとき、ゴルフをやめなくて、本当に良かった」と、しみじみと振り返る。

一度は諦めかけたゴルフ人生だけに、どんな結果も謙虚に受け止められる。
先週のキヤノンオープンでも2日目に首位タイにつけながら、週末に崩れるなど、これまで再三のチャンスを逃してきた。
このゴルファー日本一決定戦だって、そろそろ3度目の正直と行きたいが、欲張らない。「今は勉強の時期ですから」。じっくりと腰を据えて、その時を待つ構えだ。



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