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ダイヤモンドカップゴルフ 2013

アジア育ちの片岡大育(かたおかだいすけ)が「日本ツアーは凄く楽」【インタビュー動画】

難攻不落の大洗も、どこか易しく感じてしまうからやはり、経験は何よりの財産だ。日本ツアーはこのダイヤモンドカップでようやく3試合目だが、今年3年目を迎えたアジアンツアーでは、すでに7試合をこなしてきた。

「向こうでは、移動はバスだし、ぴったり自分の思うとおりにならないことばかりで」。しかも今年は4月にインドでひどい食あたりにかかって、「2週間は練習も、食べる事もろくに出来なかった」。体重も、もともときゃしゃな選手が5キロもやせ細って51キロまで落ちた。そんなハプニングにもあったから、なおさら思う。

「当たり前にゴルフがやれることのありがたさ」。習慣も文化も違う過酷な条件を経験すればするほど、日本ツアーがどれほど恵まれた環境であるか実感出来る。

何のストレスもなく、ゴルフにも集中出来る。「たまに日本ツアーに出ると、凄く楽に出来る」と、日頃の成果もいかんなく、発揮出来る。2007年に、19歳でプロ転向するなり「苦戦した」というアプローチ。

課題を意識してからはよりいっそう克服に取り組み、ようやくモノになってきたと感じられるこの日のラウンドだった。
「練習ラウンドでも覚えがない。今日は3回もチップインをしてしまいました」。

スタートの1番からいきなりやった。「思いのほか上空は、風が吹いていた」と、2打でグリーンに届かず、20ヤードのアプローチが残ってしまった。「難しいライで、ワンクッションを入れて寄せていこうと思ったら、これがぴったしだった」と幸先の良いバーディ発進に、5番では、ピンチを最高の形でしのいだ。

ティショットを左の林に打ち込み、脱出の2打目もラフにつかまり、3打目はグリーンの奥に大オーバー。「ダブルボギーだけは打ちたくない。必死でボギーを取りに行った」というアプローチが、これまた直接カップをとらえれば、もはやまぐれではない。
「今日はアプローチが最高に冴えていた」と、これまた風の影響で、パーオンに失敗した13番でもまた0パットを記録して、照れ笑いが止まらない。

ボギーも17番のひとつにとどめて、4アンダーの2位タイには、「このコースで上出来だと思います」。
アジアで確かな自信をつけて帰ってきたことも大きい。今月最初のインドネシアマスターズでアーニー・エルスに次ぐ3位につけた。このオフのトレーニングもスイング調整も、「これまででいちばん、いい仕上がり」という好調ぶりも、存分に発揮して、「あのときは、凄く良いプレーが出来た」と、当時の手応えもそのままに、迎えた今週は「あれから3週空いたけれど、今日もあのときと同じ感じでプレーが出来たと思う」。
持ち帰った成功体験を生かして、好スタートを切った。

今年のひとつの目標だった「アジアンツアーのシード権」にもほぼ当確ランプを灯したら、これからはいよいよ日本ツアーに専念出来る。「日本で初シードと初優勝を狙っていきたい」と貪欲だ。

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