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久保谷健一がやる気に!?(全英オープン2日目)

会場に来る前から「ゴルフが病気」とぼやいてばかりいたから、通算13オーバーでの予選落ちにもサバサバと上がってくるのかと思ったら、少し様子が違っていた。

いや、もちろん「今のショットでは、そんじょそこらのスコアでは回れない」と、自分否定は相変わらず。「今日は前半で終わった」と、アウトコースの41で「後半のハーフはもう、練習になっちゃった。試合じゃなくなっちゃったよ」と自嘲の笑みもまたしかりだったが、完全なる諦めモードとも違っていた。

「悔しい」と久保谷は言った。
「昨日もね、そうだったんだけど、左からの風に対して左のピンとか、右に対して右のピンとか。相当の技術を持っている人じゃないと、寄らないようになっていて」。久保谷には、風向きさえ計算されたようにも感じられる主催のロイヤルアンドエインシェントゴルフクラブ、通称R&Aはつまり、英国ゴルフ協会のコースセッティングはリンクスコースに輪をかけて、選手たちを悩ませる。

コースからも、大会からも挑戦状を突きつけられて、「僕もなんかやってやりたかったんだけど」。残念ながら、今のゴルフの状態では、抵抗すら出来ない。せめて、初日の5オーバーから予選通過はどうか、というような、「最後までドキドキ出来る位置でやりたかったんだけど」と、肩を落として「悔しいなあ」と、またつぶやく。

膝から腰辺りまでを手のひらで示しながら、「こ〜んなヒースとか、グリーンの硬さとか。日本ではありえない。どんなに難しいセッティングでも、日本ではまだ逃げ場があるけど、ここにはない。このコースでは、精神的に耐える以前の問題ですよね」。

前回はやはりミュアフィールドで行われた2002年の全英オープンと、2009年大会と。そして、2011年の全米オープンを合わせてメジャーで3戦連続の予選通過記録は途絶えてしまった。「そのプレッシャーもあった? いいや、ないよ。それはない」とは言いながらも、はるばるイギリスまで応援に駆けつけてくれた両親や家族、また今回の遠征にも手厚いサポートで支えてくれたクラブメーカーのみなさんにも、申し訳ない気持ちだ。

この埋め合わせはこのあとのパリ旅行でするとして、これもまた、めったにないことだが久保谷がひとつ、目標を口にした。「この悔しさを、日本オープンで晴らしてみようかな」。
今年、連覇がかかる国内メジャーだ。いつもは、愚痴とボヤキばかりの選手が「今度はせめて、あそこで耐えるというのをやってみよう。日本でやる気になってみよう。うん、そうしてみよう。それがいい」。独り言のようにうなずいた。

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