記事

「ザ・ロイヤルトロフィ」初日は、アジア選抜が好スタート!!(12月20日)

3&2で欧州ツアー飛ばし屋ペアを粉砕した日本代表ペア
初日のフォアサムマッチプレーは素晴らしいスタートと言っていいだろう。アジアが3マッチで勝利し、チームポイントを3−1とした。

4組すべてがハーフターンした時「このままリードを保って欲しい…」キャプテンY・E・ヤンが静かに呟いた。
早朝からキャプテン自ら18ホールのピン位置を確認し、グリーンの傾斜を調べつくしていた。
「この位置は上からの芽が強いから、もう少し切れるよ」とアドバイスを受けたと石川は語った。

この日アジアチームに勢いをつけたのは、先陣を切ったタイの2人だろう。
「僕たちが負けたら、後続にもプレッシャーが掛かるから」後続の組へプレッシャーを掛けない為にも常にリードを保っていたかった。記者会見の冒頭にキャプテンY・E・ヤンは「タイの2人がチームを引っ張ってくれたね」と、まず彼らを称えた。
「ドライバーでフェアウェイをキープし、トンチャイがグリーンに乗せる。そして2人で読み切ったライン通りにバーディーパットを沈めることが出来た」と言う様に、お互い絶好調。2人の集中力は切れることなく、気が付けば5アンド3の大差で早々と勝利し、アジアチームが1ポイントリードした。

2組目は我らがチームジャパン。序盤でボギーを重ねる相手からリードを保つのは容易だった。「相手が調子悪かくてボギーを打ってくれたので…」9ホール終了後には3アップとなっていた。11番で4アップとなると、これ以上のリードは許せないと欧州の反撃が始まる。
続く12、13番を連続奪取し、チームジャパンの2アップとなる。流れが完全に傾いてしまったかと思われたが、2人に焦りはなかった。リードを保っている状況は変わらない。このままチームジャパンの攻め方を徹底した。
「初日をアジアチームがリードして終われて良かった。しかし、まだ12マッチ(明日4マッチ、明後日8マッチ)残っている。まだまだわからない…」石川は初日の結果を喜ぶも、すでに明日のフォアボールそしてシングルス戦を見つめている。

1組目そして2組目の勢いそのままに、3組目の韓国ペアも序盤から波に乗る。
一進一退を繰り返して迎えた4番ホール、韓国ペアにミラクルが起きた。金庚泰のティーショットはフェアウェイ真ん中を捉えた。2打目を任された金亨成は微妙に吹く風を気にしながら慎重にクラブを選ぶ。残り149ヤードを9番アイアンで放たれたボールは、きれいな放物線を描きピンの方向へ。誰もがバーディーチャンスを確信した瞬間、ボールがカップに吸い込まれた。
グリーンを囲むギャラリーから大きな歓喜が沸き起こる。「改めてヒョンソンはうまい選手なんだ」と再確認させられたと金庚泰はイーグルの興奮を語った。
勢いは完全に韓国ペアのものだった。一度もリードを許すことなく決着がついた。

3組が勝利を収め、ますますプレッシャーを感じていた最終組の呉阿順と梁津萬。
自国開催だけに多くの声援があった。しかし、それと引き換えにギャラリーの観戦マナーに頭を悩ましていた。いつどんな状況であれ、隙あらばと携帯カメラのシャッター音が響き渡る。
「何度注意しても撮ろうとする…」3番グリーンでは1メートルの大事なパーパットを呉阿順が打とうとしていた。3回目のアドレスをシャッター音で解いた時、梁津萬がギャラリーに向かって注意をした。「呉阿順の集中力が切れかかっていたから…」とチームメイトを気遣った。
「結果的には負けです。今はもう明日のことしか考えていません」と明日のフォアボールでのリベンジを誓った。

<20日の初日・フォアサムの結果>

Match1
×スティーブン・ギャラハー&ポール・ローリー 5&3 トンチャイ・ジェイディ&キラデク・アフィバーンラト○

Match2
×ニコラス・コルサールツ&ベルント・ウィスバーガー 3&2 藤田寛之&石川遼○

Match3
×アルバロ・キロス&トービヨン・オルセン 4&2 金庚泰&金亨成○

Match4
○デービッド・ハウエル&マーク・ウォーレン 2&1 呉阿順&梁津萬×
  • ギャラリーのバッドマナーに最後まで苦しめられた地元・中国ペア
  • タイのトンチャイ&キラデクペアは5&3の圧勝劇!!
  • 韓国の金亨成も金庚泰とのコンビで4&2で勝利!!

関連記事