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ヨンピョンバーチヒルズ日韓男子ゴルフ対抗戦を支える人々<日本代表チーム専属トレーナー・成瀬克弘氏>
「日本ツアーはいまちょうどシーズンを折り返し、故障を抱える選手が増えてくるころです。今回の代表メンバーにも、実はかなり深刻な症状の選手もいるんですよ」
たとえば、現在賞金ランク6位の平塚哲二は左手首に爆弾を抱えている。めったに試合を休まない選手が、先週の久光製薬KBCオーガスタの出場を断念したほどだ。1週間、休養を取ったものの痛みはまだ、軽減されていない。
そのほか平塚だけでなく、深堀圭一郎の左わき腹痛や谷原秀人の手首痛・・・など、どの選手の症状にも
対応できるよう今回、成瀬さんが持ち込んだ秘密兵器がある。
重さ10キロ、1台260万円もする伊藤長短波・最新高性能電気治療器。
今年のアテネ五輪の柔道チームの活躍も支えたというこの最新機器は、日本と韓国の電圧が違うため、わざわざ成瀬さんが機器を解体して、変圧器を組み込んできたという。
また韓国入りした日は、空港のセキュリティチェックで引っかかり、説明するのにも苦労した。
そんな苦労を承知で成瀬さんは、はるばるヨンピョンまでやってきた。
「今回、日本代表メンバーは、補欠選手がおらず、10選手のうちひとりでも欠けると、それだけでポイントが引かれてしまうんです。だから今回は特に、日々の体のケアが重要になってくる。・・・なんとか、全員揃って善戦させたいですからね」
日本代表チームにとって、なくてはならない存在。成瀬さんの献身的なケアが、選手たちの活躍を支えている。