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宮本勝昌が大阪でトークショーを開催(1月9日)
宮本が、大阪を中心に京都と東京の3都市に展開するビジネスホテル「ハートンホテル」と所属契約を結んで今年で9年目。毎年、新年にトークショーを開催するようになって7度目。
その初回から、参加している兄弟子の藤田寛之も、弟弟子の上井邦浩も、さらに3回目から“常連”に加わった芹澤信雄も、同ホテルと書類上のつながりは一切ない。それにも関わらず毎年、こうして揃って華を添えてきた。
「僕らは持ちつ持たれつですから」と、こともなげに芹澤は言った。「最近ではどのスポンサーさんも、僕らチームがくっついてくるものと、皆さんそう思われているみたいで」との冗談が、何よりその結束力の強さを表している。
仲間が困っていれば、迷わずに手をさしのべる。仲間に乞われれば、すぐにでも駆けつける。そこに師匠や弟子の区別はなく、喜んで仲間の力になろうとする。ああ、美しき師弟愛。
「俺がこのトークショーに参加するようになってもう5年かあ」と、芹澤も感慨深げに「でも、お客さんも、そろそろ僕らの喋りに飽きちゃってない?」。師匠の懸念も、心配ご無用。
それが証拠に今年、駆けつけたファンは150余人。応募開始は昨年の11月初旬もすぐに締め切られた。
宴会場は例年以上にぎゅうぎゅうで、熱気もムンムン。進行役は、もちろんホストプロの宮本でも、主役を食わない程度のほどよい存在感で、その場を仕切る師匠の話術はさすがのひとこと。
長い付き合いの藤田とは、夫婦漫才のような掛け合いで笑いが絶えず、チーム最年少の上井はいじられ役に徹して、絶妙のボケっぷりで会場を盛り上げる。
昨年は藤田が43歳にして初の賞金王に輝いたことで、このトークショーもその話題で持ちきりだった。会場も、静かな興奮に包まれたものだが「今年はちょっと暗い」と、苦笑した師匠。昨季はついに、勝ち星ゼロに終わった“チーム芹澤”。トークショーの最後には、師匠が今年、起死回生にかける弟子たちの意気込みを代弁した。
「今年の彼らには、僕もものすごく期待している」。
上井は昨年、前半期にあれほどの活躍でもまた勝てなかった。「序盤はあれだけトップ10入りが続いたのにね」。開幕戦ではアルバトロスも達成。2010年には同一大会同一ホールで2度のホールインワンが、ギネス記録に認定されたが「それでも勝てない。情けない。どうやったら上井は勝てるのか?」と、お客さんを笑わせながらも、「今年はきっと、上井にとって飛躍の年。どうか応援してやってください」と弟子にかわって師匠に頭を下げられれば、上井も発奮しないわけにはいかない。
藤田は賞金ランキング25位に終わった。本人にとっても不本意な結果ではあるかもしれないが、デキた弟子への尊敬の念は変わらない。「去年の藤田は相当に綿密な計画を立てて、頑張りすぎた。オフに骨折をして、2ヶ月も何にも出来なかった。それでもあそこまで、持ち直してきた。本当に頑張っていた。凄いヤツだと思います」。師匠のねぎらいには、藤田も恐縮しきりでつらかった1年も一瞬で消し飛んだ。「今年はまた、一から自分を作り直すつもりで頑張ります」と、今年45歳が心新たに気合いを入れた。
そして宮本は、師匠もどれだけ可愛い弟子が努力を重ねてきたか知っている。「宮本の尻には火がついています」と、芹澤。一昨年の藤田の賞金王獲りには、宮本も相当に度肝を抜かれていたという。「あれを見て、宮本は本気になりました。ここ3年間は勝ててはいませんが、本当に頑張っている。今年の宮本は絶対に行ける」と太鼓判。
「来年のこのトークショーは、宮本の祝勝会となるかもしれません」。芹澤が言った瞬間、ハートンホテル北梅田(大阪市北区)の“ぐんじょうの間”はこの日、もっとも大きな拍手に包まれた。