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2014年の新顔! 香妻陣一朗(こうづまじんいちろう)は「あわよくば勝ちたい」

中央が香妻。ナショナルチームでしのぎを削った先輩の富村(左)も今季はチャレンジの資格で、共に本格参戦を果たす。次のスター候補生たちだ!!
一見、あどけない童顔も、心は野望で満杯だ。女子プロで活躍する香妻琴乃さんは、2つ上の姉。一足早く、いばらの道を進んだ姉は、良いお手本。「これはこうしたほうがいい、とか色々と教えてくれますので。助かっています」。昨年は、自身も追いかけプロデビューを果たしたときにも、非常に心強かった。

梅雨時期には持病の腰痛が悪化して、試合にも出られず、2週間ほどクラブも握れず、ツアーはせっかくの出場チャンスも生かせず“ルーキーイヤー”での初シード入り、とはいかなかったが、昨年末の予選会ファイナルQTでは6日間の長丁場も「ただ一生懸命にやって、自分でもなんだかよく分からないまま上のほうで戦えた」と、2度目の“挑戦”では堂々のランク6位に食い込み、今季前半戦の出場権を手に入れた。

19歳。ジュニア時代から、ナショナルチームの一角は、名門大学への進学も引く手あまた。しかし「どうせやるなら、早いほうが」と、早々のプロ入りを決意した。「これから4年間、大学に通ったつもりでやれば、きっとなんとかなるだろう」と顔に似合わず大胆に、荒波へとこぎ出した。

厳しいプロの世界も、仲間と一緒なら、よりいっそう頑張れる。先月27日からスタートした日本ゴルフツアー機構(JGTO)主催の通称“宮崎合宿”も、ジュニア時代からともにしのぎを削ってきた時松隆光らと参加。廣戸聡一先生の熱血指導も、仲間と励まし合いながら、皆と一緒に気持ちの良い汗を流した。

またトレーニングの合間のラウンド合宿は、慣れ親しんだコースだ。フェニックスカントリークラブは出身の熊本県から越してきて、宮崎県の日章学園は中等部から進み、当時からジュニアを快く受け入れてくださった同コースはチームメイトと“薄暮プレー”にいそしみ、プロさえ手こずる難条件も知り尽くしている。

小学生時代は同コースで行われているダンロップフェニックスも幾度となく観戦。タイガー・ウッズの来日には小さな胸を躍らせたものだ。いつか自分も世界を股にかけて戦う選手になると、無邪気に誓った当時の夢は、今も胸の中にある。

秋のビッグイベントのひとつに位置づけられる同大会は、シード選手でさえ敷居が高く、香妻には出場することさえ、今はまだ夢のトーナメントだが「もし出られたら、きっとたくさんの方が応援に来てくださると思う。早く出られるようになって、ここで結果を残したい」。
石川遼に続いて今年は松山英樹も米ツアーに軸足を移して、男子ツアーのスター不在も懸念されるが、「自分が少しでも、盛り上げていければ」と、強気に前を向く。本格参戦の今季は「年間を通して確実に予選を通過出来る安定感を身につけて、あわよくば勝ちたいです」。お姉さんと兄妹揃って、近々の優勝報告が聞きたい!!
  • 廣戸先生(右)の講義にて。先生の提唱する4スタンス理論には香妻も、目からウロコ。

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