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アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ パナソニックオープン 2013

片岡大育(かたおかだいすけ)は、「それだけは譲れない」

こう見えて、無二のライバル。中学時代からの、大親友でもある。香川西高時代はキャプテンと、副キャプテン。チームを引っ張る河野祐輝(こうのゆうき=写真左)を、片岡(=同右)が支えた。3年時には、母校を団体3位まで押し上げた名コンビがいま、ツアーの舞台でしのぎを削る。

今季は、7月のセガサミーカップで自己ベストの2位に入り、一足先に初シードを決めた河野。
「ヤツに遅れを取らずに済みました」。片岡も、先週のANAオープンで、4位タイに入った。
ライバルに遅れを取らずに、日本で悲願の初シード入りに、大きな当確ランプを灯した。

そんな片岡に、「抜かれないようにしないと」と、賞金ランキング20位につける河野は警戒心あらわ。同31位で追いかける片岡は「絶対に抜いてやる」と、メラメラ。
「いや、絶対に抜かせない」と、ひとたび押し問答が始まれば、どちらも「そこだけは譲れない!」と、一歩も引かない。

ランキングももちろんそうだが、もっと美味しそうなニンジンが、2人の前にぶら下がる。揃って初シード入りに目処をつけたら、次なるレースは「どっちが先に初優勝を飾れるか」。

今年、5年ぶりに大阪の名門、茨木カンツリー倶楽部に戻ってきた今大会。2人とも、初体験の難コースという点では、勝負は五分五分。開幕前日のこの日25日の水曜日は、揃って練習ラウンドで18ホールを回って、「距離はあるけど、意外とフェアウェイは広い。その点では、ラフに入れさえしなければ、思ったよりも、楽にスコアが出せそう」とは河野。

片岡は「しっかりとマネジメントしないと簡単にボギーを打つコース。難しいけれど、その分、引きしまった気持ちでやれそう」と、こちらもまんざらでもない。

実は、片岡はすでにアジアンツアーではシード2年目を迎える。日本と両ツアーの賞金ランキングに加算される今大会は、過去5人の歴代チャンピオンとも、アジアとゆかりの強い選手が優勝を飾っているだけに、この点では片岡が断然有利な条件だ。

予選ラウンドで回るアメリカのデービッド・リプスキも、向こうでは時々食事をする仲といい、良い意味でリラックスしてやれる。アジアと、日本。両ツアーで活躍する者としても、今大会での活躍は、大いにハクがつく。勝てば、両ツアーの複数年シードがもらえるという点も、なおさら片岡が燃える材料で、「ぜひ勝ちたい」と、気持ちは逸る。

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