国もコースも変わっても、世界一を破った男の勢いが止まらない。宋永漢(ソンヨンハン）が2日目にして、通算9アンダーまでスコアを伸ばした。「先週とは全然違うコースだけれど。自分の調子が良いから大丈夫！」。

乾燥した風にさらされたグリーンは堅く、熱帯気候特有の芝はラインも読みづらく「そういうコンディションだからこそ、ストレスもたまらない」。短いパットを外しても、しょうがないと思える。
加えて先週の大金星が、25歳の背中を押してくれる。

「ＳＭＢＣシンガポールオープン」で、ジョーダン・スピースを1打差で下して自身の初優勝をあげたばかりだ。今週は最初、それが少しプレッシャーになった。1日競技が伸びた月曜日は、母国で吉報で待つ母親に、やっとつながった国際電話。「僕も、ママも泣いてました」。
韓国中も歓喜に沸いた。その翌週に、下手なゴルフは出来ないという思い。
「緊張しましたけれど。それも昨日のスタートまでですね」。
今週もまた、優勝争いに加わった。

この日、宋(ソン）と同スコアで追いついた先輩の金庚泰（キムキョンテ）が言う。「彼は今までずっと勝てずにいたけど、ショートゲームが凄く上手だし、一度勝てれば、また次と、勢いに乗れる力がある」。
先輩も、その可能性を示唆した今週の2週連続Ｖ。シンガポールで世界一を倒したことで、世界ランキングもやにわに浮上。今年は112年ぶりにゴルフが正式種目に復活するリオ五輪もあるし、このまま大きな波に乗りたいところだ。

• 宋 永漢
• 金 庚泰