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ダンロップフェニックストーナメント 2008
マークセンを支えた“チーム・ダディ”
選手たちはシーズンもいよいよ終盤を迎え、1年の疲れをたっぷりとため込んでここ宮崎にやってくる。
この時期は体を鍛えるというよりもむしろ、十分に疲れを取りできるだけ早く疲労を回復させることが先決で「それこそが僕たちの役割です」とは、チームを率いるビッグ・ダディこと大塚大輔さん。
頼りがいのありそうなその風貌と“大輔”の名前を文字っていつしかそう呼ばれるようになった。
大阪で「大塚整骨院」を開く大塚さんが、大会専門のセラピストとしてボランティアで参加するようになったのは1995年から。もう13年も前のことになる。
そこで見たものは満身創痍のトッププレーヤーたちの姿。
国内外を問わず、世界・各地を転戦する選手たちは皆それこそバリバリと音を立てるほどに全身を強ばらせた状態のまま、耐えてプレーを続けていることに驚いた。
マッサージや鍼、ストレッチなどでは、これほどの体の張りを取るのも限界がある。
「ラウンド後に適度な運動をして、乳酸を取り除くのが一番いい」とアドバイスはしてみるものの、皆一様に「そんな元気は残っていない」と、大塚先生の前でぐったりを体を横たえるばかりだった。
「選手のみなさんに負担がかからない形で、なんとか疲労を取りのぞいてあげる方法はないものか…」。考えた大塚さんが開発したのが「Safe Plane(セイフ プレーン)」なる全身運動機械。
寝たままの状態で体に独特の振動を与えることで、無理なく自然に疲れを取り除く。
あまりの心地よさに、その姿勢のままうたた寝をする選手もいるほどだ。
海外の招待選手にも大人気で一昨年のチャンピオンのパドレイグ・ハリントンもたいそう気に入り、「この機械をアイルランドの自宅に持って帰りたい」と言い出したほどだ。
「セイフプレーン」でまずはしっかりと疲れを取ったあとは、先生たちの心のこもった入念なマッサージで総仕上げ。
今年もロッカールーム奥に設けられた“臨時施術所”には、連日予約待ちの選手であふれかえった。
今年35回大会のチャンピオンに輝いたマークセンも“常連”のひとりだった。
特に、アジアと日本両ツアーを掛け持つタイの英雄は先々週は中国、先週はシンガポールと移動して日本に舞い戻ってきたばかりだった。
連戦と移動続きで「心と体もクタクタで…」(マークセン)。
まさに“チーム・ダディ”の腕の見せ所だったのだ。
この週、マークセンを担当したのは神奈川県で「バイタルあきやま治療院」を開く穐山鉄矢先生と、大阪の「コタニ鍼灸整骨治療院」の小谷徹先生だった。
小谷先生は、大阪に向かう帰りの飛行機で偶然チャンピオンと“再会”して、いきなり抱きしめられた。
毎日、献身的なケアを受けたことで過酷な4日間を乗り切ることができた。
まして大会の頂点に立ち、顔を見るなり感謝の気持ちがたちまち溢れ出たようだ。
「先生たちのおかげです、本当にありがとう!」と、むしゃぶりつかれて先生も感激…!!
昨年大会は、やはり小谷先生が担当したポールターが大会初優勝をさらったが「来年は“3連覇”を狙いたいと思います」。
“チーム・ダディ”の快進撃はこれからも続く…!!
<献身的なケアで選手たちを支えるチーム・ダディの面々ご紹介>
大塚大輔 先生(大阪府・大塚整骨院院長)
穐山鉄矢 先生(神奈川・バイタルあきやま)
大野公則 先生 (大阪府・おおの整骨院)
大嶋隆司 先生(千葉県・市原中央整骨院)
小谷徹 先生(大阪府・コタニ鍼灸整骨治療院)
佐藤修 先生(神奈川・大野鍼灸整骨院)
蕗澤一成 先生(千葉県・ふきざわ整骨院)
渡辺明雄 先生(北海道・わたなべ整骨院)
(※敬称略、大塚先生を筆頭に50音順)
…今年もありがとうございました!!