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東建ホームメイトカップ 2016
開幕ファンイベントを開催(4月11日)
新選手会長が、ここ名古屋に住まいを移して早4年目の春。知る人ぞ知るひつまぶしの名店をはじめ、ごひいきのグルメは今や、数え切れない。オフの家族サービスならオススメは、たとえば「ラグーナ蒲郡(がまごおり)」。開幕戦の地元でもあるお隣の三重県でいうなら、「ナガシマスパーランド」も絶対にハズせない。今年もこの開幕イベントの会場となった名古屋地下駅「栄駅」に隣接の商業施設「オアシス21」ならば、市内の自宅から車でわずか20分。すっかり愛する名古屋で今年はなおいっそう気持ち新たに、ステージに立った新選手会長だ。
「今年はますます選手一丸となって、ジャパンゴルフツアーを盛り上げていく!」と、壇上で決意を語った宮里優作。前会長の池田勇太が一昨年にスタートさせたこの開幕イベントの参加選手は毎年、もっぱら賞金ランクの上位と地元中部勢が占めたものだが、今年は自身の脇を固める選手会の理事メンバーで揃えたのも、新選手会長のそんな気持ちの表れだった。
1月に、新体制が発足したときからこのメンバーで一致団結していた。「僕は優作の小間使いですから」とは、ベテランならではのあえての自虐ネタ。選手副会長はベテランの横田真一を筆頭に、近藤共弘も、今年の最年少理事メンバーでもある薗田俊輔は特に、「僕は優作さんに呼ばれれば、どこにでも駆けつけるつもりでいる。優作さんを支える」と、誰もがそんな心ひとつで迎えた2016年だ。
日頃から互いに意思の疎通が出来ているからこそのこの日の“オンステージ”は、このメンバーだからこそ冒頭の質問コーナーでも、ファンのみなさんとのパット対決でも和気藹々と、みなコースでは見せない無防備な素顔を惜しげもなくさらし、ファンの感心と笑いを誘ってみせた。
今年、初めて理事メンバーに名前を連ねた片岡大育(かたおかだいすけ)。パット対決の景品として、この日持参したのは自身のポートレートが満載のオリジナルカレンダー。壇上で、おもしろ半分にぱらぱらっとページをめくった近藤は、開口一番。「やばいよ、これは〜」。いくらファンに笑顔が素敵と言われてたって、ちょっとこれは・・・。アイドル顔負けの営業スマイルで自転車にまたがるシーンなんかもあって、「これは違うんじゃないのぉ。誰がこのカレンダー、欲しいのよ」と、近藤が茶化せば茶化すほど、熱烈ファンにはその中身が大いに気になる・・・・・・?!
そんなぶっちゃけトークでどどっと盛り上がる中で、相も変わらず静かに微笑むこの人に、優作は感謝の思いを禁じ得ない。
理事会メンバーでが集うこの開幕イベントに、大輪の花を添えてくれたのは昨年の賞金王だ。優作の呼びかけに、来日の予定をきゅうきょ1日繰り上げて、駆けつけてくれた。ファンから寄せられたプロへの質問。「好きな芸能人は?!」。
「僕は昨年、結婚をしましたし、日本のタレントさんを知らないので・・・」と、大マジメに恐縮しきりの金庚泰 (キムキョンテ)。「それならば、韓国人では?」と、たたみかけられみんな、この応えを待ってました!
「イ・ボミちゃんでしょ!」。みんなに“お約束”をせっつかれ、照れながらも頷いた賞金王。
得意なはずのパット対決でも道化を演じて、盛り上げてくれた。「今日はキョンテも、来てくれて本当にありがたかった」と仲間たちの心意気が、新選手会長の心に染みる。
そしてイベントの締めに、開幕戦の中継局のテレビ東京のカメラに向かって、参加選手を代表して今年の抱負を語ったのは、なぜか片岡。テレビ局の方は「この中で最年少プロとして・・・」と、ご指名をしたわけだが、「僕らはコースでは、敵同士ですけど一丸となって、迫力のあるプレーをお見せしていけるように。一人でも多くのみなさんに、感動を与えられるように頑張っていきます!」とさわやか満点。申し分ないコメントに、「オッケ〜!」と、優作が合格点を出しても近藤が、隣でまたすかさず茶化す。
「みなさん、見た目で判断しないでください。薗田は片岡の1コ歳下ですから!」とは確かに。片岡は27歳で、薗田は26歳で、この日の最年少プロは、本当は薗田だったんですけど・・・。童顔の片岡が、上手く締めてくれたことだし、ま、いっか!!
ツアーを盛り上げていくというという点では、完璧なチームワークで迎える今シーズン。今年から、池田に変わって、二足のわらじを履くことになった優作にとって、何よりの課題はやっぱり“本業”で男子ツアーを盛り上げることには違いない。
「僕のキャリアハイになった」という昨季は、賞金ランク2位。「でも、キョンテには、6000万円以上差をつけられた。それを埋めるためにも複数回優勝を達成して、今年こそ賞金王を狙いたい」。
前日までのボカボカ陽気はどこへやら。なぜか肝心のこの日に限って冷え込んだ帰宅時。会場の「オアシス21」は、近未来をイメージしたという幻想的なイベントスペース「銀河の広場」は「水の宇宙船」との名がついた。巨大なガラス屋根もこの日に限っては、どこか寒々しくても、残業を無理に抜け出し駆けつけてくださったサラリーマンの方もいて、そんな熱心なファンのみなさんのためにも新選手会長は、結果でこそ報いるつもりだ。