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日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills 2015

悲願の日本ツアー初Vへ王手、中国の梁津萬 (リャンウェンチョン)が王手

中国の雄が、早くもスパートをかけた。この日の65は、5位タイから追いかける歴代覇者の小平智も「リャン選手は、違うコースを回っているんじゃないかと思う」。だれもが度肝を抜くスパートも、本人にはいくつリードがあっても満足出来ない。

「このコースでは、どんなに離していても、追いつかれちゃう。今日も集中してやった」。飛んで曲がらないショット。「低い弾道で攻め続けている」。コントロールの効いた変則スイングは、これでも改造中といい、より安定感が増した。

前日2日目にダブルボギーを打った17番のパー4。何事もなく通過できますように、と誰もが祈る思いでプレーする難所も、「昨日のことを思って今日は意識しましたが、うまく切り抜けることが出来た」と、胸をなで下ろした。

もっとも新しい優勝は、2013年のマニラオープン。中国選手として初めて欧州ツアーで1勝をあげた2007年にはアジアンツアーと、2010年には新興ツアーのワンアジアでも賞金王に輝いて、まさに母国のゴルフ界を牽引してきた第一人者も、なぜか日本ツアーでは未勝利だ。

よく理由を聞かれるが、自分が教えて欲しいくらい。「勝ったら、分かるかもしれないね」と、言って今は笑うしか出来ないが、今週はいつも以上に頑張れる理由がある。

2005年に結婚した奥さまが来日。しかも兼嘉恵(SIUKAWAI)さんは、現在4人目のお子さまを妊娠中で、5ヶ月目のお腹を抱えて、ロープの外から声援を送ってくれる。
いよいよ5打差の単独首位に立ったこの日も、上がってくるなり労るように肩を抱き、仲睦まじい様子を見せた。「ほかの選手との差は考えず、とにかく自分のゴルフを尽くすだけ」と、ほかのことには目もくれない。

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