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ブリヂストンオープン 2015
堀川未来夢が初の最終日最終組に
この日3日目は、堀川の2つ前で回っていた片山晋呉。
同組の谷原秀人と、通算7アンダーで並んで入ったスコア提出場で「もしかしたら一に回れるように、先に出しときました」。
スコアのいい選手ほど、うしろに組まれる決勝ラウンドのペアリングは、同一スコアの場合はこれまた前日のスコア提出が早い選手をうしろに組む。
それだからこその“師匠”のはからいには、「本当ですか?!」。切れ長の目をパッと輝かせて「こんなシチュエーションが現実になって、夢のようです」。
この日は、いつもの袖ケ浦とは真逆の西南西の風に加えて、時間を追うごとに乾いて、スピードを増していくグリーンには「フェアウェイから打っても止まらない」と、堀川もまた、再三のピンチも「最後は得意のパットでなんとかすることが出来ました」。
18番パー5も、最初から決めていたとおりに2打目をフェアウェイに刻み、アゲンストに向かって8番アイアンを握った154ヤードの第3打は「完璧に打てました」。最後はピンそばのバーディ締めで、単独首位に返り咲いて、「片山さんにはお世話になっていますけど、明日は絶対に負けないという気持ちで頑張る」。
やはり単独首位に立った初日もそうだったが、「その夜も、すぐ寝られた」。ジュニア時代から緊張とは無縁だったといい、「自分でいうのもなんですが、プレッシャーには強いほう。最終ホールとかも、燃えてきちゃう」。
今週は、夜ごと繰り広げられる師匠と弟子の宴会。片山のマネージャーのご実家が経営する千葉市内のイタリアンレストランでは、なんと弟子の“独演会”。片山が呆れていう。「あいつ、よく喋るんですよ。僕が喋ってるのに、“ちょっと待ってください。僕に喋らせてください”と、僕を遮って喋り出す」。
「はい・・・そうですね。師匠を差し置いて喋ってます」と本人も、ちっとも悪びれることもない強心臓ぶりだ。
現在、賞金ランキング60位は、初シードもかかっており、食事の席で片山が「まずシード選手にならないことには始まらない。絶対に無理をするな」というアドバイスもビール、ワイン、シャンパンと酒杯が進めば進むほど、ちゃんと聞いているのかどうなのか。
「はい、その通りだと思います!」と自分では、ちゃんといいつけを守っているつもり。「ゴルフは毎日、うまくいかないスポーツだけど、うまくいかなかった昨日の2日目も、落とすことなく来られたのは片山さんのおかげです」。
この日の15番では絶対に、ピンの手前と決めていた。それなのに、ついピン方向に打って案の定、ボギーには後悔しきりで「シンゴさんのような永久シード選手なら、何をやってもいいけど、僕のような選手が調子に乗って無理をしてはダメ。明日も、最後の18番も攻めて池に入れたら台無しなので。並んでいても、刻んで自分のマネジメントを貫きます!」と、しおらしく言ったそばから、豪語した。
この夜は、いよいよ翌朝に直接対決を控えた師匠との晩餐はとっておきの“裏メニュー”に仲良く舌鼓を打ちながら、「今日は、片山さんには絶対に負けないくらいのことを言ってみます」と天然素材の22歳はおそらく本当に、直接本人にそう言ってしまうのだろう。今晩の食事もまた盛り上がりそうだ。