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宮本勝昌は「ハッピーになりたい」

大御所たちに励まされて、ますます気が引きしまる。東京有明の東京ビッグサイトで開催中のジャパンゴルフフェア2014。午後からJGTOブースでのトークショーに備えて宮本勝昌は、前夜のうちに都内に入ったものの、それでもここまで来るのにひと苦労だった。
「レインボーブリッヂも、ゆりかもめも止まっちゃってる!」。
地元は静岡の御殿場市も、雪国かと見まがうほどの銀世界の映像が、秒刻みでラインに流れてくる。
妻の朋美さんと2人の子どもたちが、背丈の倍以上もある雪の壁と格闘している姿。
「頑張ってるね!」と、メッセージを返しながらも、家族がケガでもしないかと気が気ではない。

13時半からのトークショーが始まるギリギリまで、映像を見つめていたパパも、時間が来るとプロの顔。こんなに足場の悪い中でも集まってくださった大勢のファンには、恐縮しきりだ。

毎年、期待に応えたいと気持ち新たにシーズンを迎えるが年々、思うように体がついてこなくなってきていることを、実感している。
初シード入りを果たした97年から数えて17年目の昨年は、とうとう最低ランクまで落ちた。
賞金ランク46位は、「感覚と実際のズレが多くて、不甲斐ない1年」。
2006年から2011年まで続けた151試合連続出場の鉄人記録も、次の記録ホルダーを狙う小田孔明に「こないだ80試合目をやっと超えましたが、宮本さんの大記録にはまだまだ」との賞賛を受けて、まんざらでもないが「近頃はそういう過去の栄光にニヤっとしたり・・・」とは、少々寂しい。

「近頃、人生のピークをどこで迎えるかということをよく考えるんですけども、今のままでは僕のピークは米ツアーにも参戦した24、25歳のころで終わってしまう。それ以降は良い結果が出せていないので」。このまま尻すぼみでは終われない。「ゴルフは何歳でも良いスコアを出すことができる。もうひと山ここで、グンと上がることが出来れば40代でもう一度、ピークを迎えることが出来る」と、もくろむ。

トークショーのさなかには、そのお手本のような2人が次々と、宮本の肩を叩いた。
まずは、元祖ポパイの倉本昌弘。トークショーで、師匠の芹澤信雄や兄弟子の藤田寛之の話題で笑いを誘っていた宮本には「人の話をしている場合じゃないだろ!」。
さらに、 中嶋常幸には隣で仲良く並んで、サインペンを走らせながら、「今年も勝てなかったみたいだけれど、頑張れ」と大先輩からも暖かい言葉をかけられ、身も引き締まる。

「年間1勝以上と日本シリーズの出場」は例年かわらぬ目標としても、今年はもうひとつ、心に誓ったことがある。「ちょっと抽象的なんですけど、ハッピーになりたいな、と」。

41歳を迎えて、ただがむしゃらに自分の夢だけを追い求めるのはもうやめた。「自分自身もそうですけど自分の周りの人が、幸せになれますように。みんなの幸せそうな顔を見ていると、自分も幸せになれる気がする。まずは周りを幸せにすることが出来て、初めて自分が幸せになれる気がする」。そのためにも、もうひと花も、ふた花も咲かせたい。

そしてもちろんファンの笑顔のためにも。
翌16日・日曜日は、いよいよ「ジャパンゴルフフェア2014」の最終日。明日もまた宮本は、日大同期の横尾要らとともに、13時からJGTOブースで笑いの花を咲かせてくれる。

<選手トークショー・レッスン会の予定>

<16日・日曜日>11時〜12時 横尾 要
         13時〜14時 宮本勝昌
         15時〜16時 谷原秀人
<内容>
トークショー、レッスン会、プロ愛用グッズのプレゼント抽選会、サイン会、JGTO特製ツアースケジュール入りクリアファイルプレゼント!

※レッスン会は希望者多数の場合、ご来場者の中から抽選で決定させていただきます。
※サイン会は希望者多数の場合、選手の次のイベント参加の都合上、打ち切らせていただくこともございますのでなにとぞご理解ください。
※そのほか、JGTOブースではショット測定器「トラックマン」の体験コーナーや、素敵な賞品があたるクイズコーナーなどを開催しています。

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