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長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント 2013

藤田寛之は「ぜひまたお逢いしたいな」

ベテランの賞金王には特に、中盤にシビアなホールが続いた。テレビ中継が始まる14番ホールからは、どうにか持ち直した。確かに「テレビに映り始めたところからは良かったですが、それまでは全然グリーンに乗ってない」。

8番から立て続けのピンチもあった。ティショットを右の林に入れた。いったん出して、158ヤードの3打目は2メートル半につけてパーを拾った。
9番は、本当にボギーでもおかしくなかった。

深いラフからの3打目を、今度は左奥のバンカーそばに打ち込み、両足だけバンカーに突っ込んで打つ不自然な姿勢から、1メートルに寄せたのは、さすがの貫禄。

午後からは、汗ばむほどの北海道の陽気に、「コンディションが良いので。伸ばしてくる選手は必ずいる」とは予測がついたが「11アンダーはさすがにないだろう、と」。

薗田の61に驚きながらも、確かに中継ホールの5ホールは、テレビ映りもよく3つのバーディを加えて68は、「3日間で今日が一番悪い日」とはいいながらも「自分も4つ伸ばして来られた」と、首位との差も最低限にとどめて、2打差の2位から薗田を追う。

「でもこのコースは、下から上がって来られるコース。追いかけてくる人が一杯いて、自分も追われる立場でもある」と、冷静に周囲を見渡す。
「明日はスコアを伸ばしきらないと勝てない。今の自分の状態では、良いスコアを出せる材料がないけれど。明日も4アンダーをベースに、プラスアルファが欲しい」と、静かに闘志を燃やした。

2009年の今大会で、ツアー通算7勝目を達成して表彰式で対面した長嶋茂雄氏。「緊張したなんてもんじゃなかった」。直立不動で、優勝杯を受けた。今年は、国民栄誉賞を受賞されたミスターは、なおさら恐れ多いが「またぜひお逢いしたいな」。
今度はぜひこちらから、胸一杯の祝意を伝えたい。

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