記事
富士ホームサービス チャレンジカップ 2016
”リベンジ1号”は塚田好宣!
6アンダー首位タイでスタートしたファイナルラウンド、スタートホールの1番はボギーと出だしでつまづいてしまったが、そこからは耐えるゴルフを展開した。
最終組の選手が一同にスコアを落とす序盤、強風の影響かなかなか抜け出す選手が出てこないまま気づけば後半戦に突入していた。
前半の最終ホールでバーディーを奪い、前半をイーブンで折り返すも、後半の出だし10番ホールで再びボギーとした塚田は「今日の状況からして、パープレーでラウンドできれば勝てるかもしれない」と話す。
耐えて耐えて我慢していた塚田がいよいよ抜け出す時がきた。
強風をものともせず13番ホールから3連続バーディーを奪い、2位と2打差のアドバンテージを奪った塚田は「(風は)そんなに嫌いじゃない。みんな苦しいことには変わりはない。なかなかバーディーを獲ることもできないけど、簡単にボギーも打つことはない」と冷静に3連続バーディーまでを振り返った。
2打差のリードのまま、16番ホールを安全にパーセーブした。
続く17番ショートホールでボギーとし、2位と1打差に縮まってしまった。
迎えた18番ホールではフェアウェイ右サイドから残り156ヤードを7番アイアンで放ったセカンドショットは、グリーン右手前40ヤードの花道に落ちる痛恨のミス。「風のジャッジミスではなく、完全にショットのミス。右からドロー目に打って安全にグリーンを狙おうとしたけど、瞬間的に左に広がる池が恐くなった」と大きく右に逃がしてしまった。
そして優勝へのプレッシャーとセカンドショットのミスを払拭できないまま3打目のアプローチショット。ピンに向かって飛んで行くも、グリーン上のわずかな傾斜を登り切ることができず5m手前で止まってしまう。
“頑張れー”“決めろー”と周囲のギャラリーからの歓声に少し頷きボールをマークした塚田だったが、パーセービングパットを決めきれず連続ボギーでプレーオフが決まった。
香妻陣一朗とのプレーオフ1ホール目、ティーショットは明暗を分けるかたちとなった。
「右からのアゲインストの風が強く、難しいティーショットでしたけど思い切って振り抜きました」と、見事フェアウェイを捉えた。対する香妻のティーショットは風に押され左のバンカーの中へ。
香妻の2打目は無情にも池へ吸い込まれてしまった。
「すごくアゴに近いところからでしたから、狙うのか、一度出すのか、どうするのか」と塚田は見守った。
塚田の2打目は154ヤード。「さっきと同じような距離。逃げても易しい状況になるわけではないから、しっかりと打ちました」と放ったボールはピン方向へ向かうも、グリーン奥のカラーまで飛んだ。
池の手前からドロップして打った香妻の4打目はピン奥4mにつけた。
先にバーディーパットをカップ横50㎝に寄せた塚田。
香妻のボギーパットが外れ、短いウィニングパットを沈め勝利を掴んだ。
「自信になりましたよ。今年は同じ年代の選手がチャレンジトーナメントに多く出場しています。みんなで“リベンジ”トーナメントだね、と話してます」という塚田がリベンジ第1号となる金星を挙げることになった。
「この流れのままレギュラーツアーに出場しても優勝したい」と最後に力強く述べた“リベンジ”塚田の活躍から目が離せない。