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海外アジア2戦、番外編・星野陸也の旅の道連れ
鼻をすすりながら、スタートの1番ティにやってきて、キャディバッグからおもむろに取り出したのは、箱ごとのティッシュペーパー。
186センチの長身をちょっぴりかがめてシュン、シュンと鼻をかみながら「やっぱりティッシュの柔らかさは日本製が一番ですよね!」。
いきなり灼熱のシンガポールから始まり、ミャンマーでの2連戦。
「寒暖差アレルギー」という。
今は真冬の日本との大きな気温差もそうだが、現地ではガンガンに空調が効いた室内と屋外とのそれにも注意しなくてはいけない。
コースとオフィシャルホテルを往復する専用バスも、冷蔵庫みたいに冷えた車両もあったりして、ファイナルQT1位の資格で出た昨年に懲りて、今年はさらに万全の体勢で来たという。
「去年はポケットティッシュだけは持ってきたのですが、足りなくて。現地で調達したのを使ったのですが、紙がかたくて鼻が痛くなってしまったんです。だから今年はスーツケースにティッシュボックスも入れてきました」。
ちなみに本当は、鼻かみ専用の超柔らか高級版のにしたかったそうだ。「でも、“いいティッシュ”ってどれも箱がめっちゃ大きいじゃないですかあ。さすがに入らないから仕方なく・・・」と、薄型の箱をキャディバッグにしまう際にはさらに薄くつぶし気味にしてばっちり携行。
たとえ高級ティッシュでなくとも酷暑のラウンド中も十二分の役目を果たしてくれて、やはりジャパンメイドは素晴らしいと、2年目のアジアではそんな発見と感動も。
そして今年は、こんなアイディアもひらめいた。
「ポケット部分にティッシュ専用の取り出し口を作ったら、すごく便利じゃないか、と」。
ティッシュボックス一体型のキャディバッグか、なるほど・・・。意外と売れるのではないか?!
「なかなかいい考えですよね?!」と、21歳はウキウキとコースに出ていった。
2週連続で、トップ10入りを果たして初シードの大きな足がかりとした昨年に引き続いて、今年もマレーシア人キャディのコンボさんを旅の道連れに、アジア2戦で奮闘した星野。
帰って2月、3月はトレーニングを中心に調整に励むかたわら、豪州ツアーのニュージーランドオープンや、国内の地区競技に参加しながら、4月の国内開幕に備える。
本格参戦1年目の昨季は賞金ランク31位と大躍進だったがけっきょく未勝利のまま、シーズン最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の出場権も、もうあと一歩で逃している。
「今年こそ優勝したい」。
悲願の初Vでスター選手の仲間入りを果たせば、念願のティッシュ専用ポケット付きキャディバッグの製品化も夢ではない?!