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小平と池田が同組で明暗くっきり(全英オープン3日目)
もっとも顕著な例でいうなら2015年。日本オープンの最終日最終組は2サムの直接対決で、池田を制した記憶が後押しをする。
再び2サムで回ることになったメジャーの決勝ラウンドでは池田も、それを察して「サトシは今日、俺と一緒でやりやすかったんじゃないの?」。
面白いようにチャンスを決める小平。
そのかたわらで、「俺はカップの縁に止まるの5回。入ったと思って横を通り過ぎたのが6回」。ことごとくカップに嫌われた池田はイーブンパーにとどまり、この日68で回った小平にかける言葉もちょっぴり皮肉めいていた。
テレビのラウンドリポーターをつとめる大学の先輩は「随所に、サトシの成長を見られて嬉しい」と言ってくれた。「丸山(茂樹)さんにそう言っていただけると自信になる」と、小平の笑顔もついほころぶ。
2番でボギーが先行した。
「最初は躓いたが風もないし、コンディションもいい。いつかチャンスが来る、と焦りもなかった。ガンガン攻めようという気持ちでやった」と、5番から4連続バーディを奪うと、14番のイーグルチャンスも逃さなかった。
2日目には連続バーディで大会初の決勝進出を決めた上がりの2ホール。
この日は17番、18番共に5メートル強のパーパットをしのいで、「ああいうパットを決められるようになったのが成長。リカバリーが出来るようになるとスコアを崩さないでいられる」とますます自覚が進めば、自信も深まる。
「明日は今日以上のスコアを出さないと、上にはいけない。トップ10を目指して頑張る」。28位タイから、最終日のさらなる上昇を誓った。
その様子を逐一見ていた池田。18番で5メートルのバーディ締めにも「サトシが先に入ったので。自分はどうせ入らないだろうと思って打ったら入った」と、こちらは苦笑いが止まらない。
メジャーで6大会ぶりの決勝ラウンド進出も「楽にやりたいけれど。この2日はパットが入らなくてストレスが溜まりすぎ。フラストレーションは、たまるほうが速くて100倍くらいで増えていく」と、51位に後退した。
巻き返しがかかる最終日。
「明日は、たまっているものを発散できるか。ため込んで日本に持って帰るか。どっちか」。
せめて気持ちよく帰国の途につきたい。