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ISPSハンダマッチプレー選手権(3回戦〜決勝) 2018

ゴルフ界のネイマール。タンヤゴーン・クロンパがツアー初Vで総勢104人の頂点へ

タイ旋風。3位に入った後輩のワナスリチャン(左)と
総勢104人の巨大やぐらの頂上で、微笑みを浮かべたのはタイ出身の28歳。クロンパが、賞金1位を2&1でねじ伏せた。5年目の日本でタイ勢としては史上3人目(※)、今季8人目の初優勝者に名前を刻んで「僕もやっと勝てた」。この日は3位に入った母国の後輩と喜びを分け合った。

運命の最終第118マッチは、完全アウェイの決勝戦。地元埼玉出身の今平が、大応援団を連れてきた。
「いま最も強い選手だし、とても緊張したけど僕にも応援してくれる人がいた」。
「クロンパ」とカタカナでプリントした揃いのTシャツを着て駆けつけたのは、5年の転戦生活で、ファンになってくれた人たちだ。
前夜、タイの家族にメールで送った写真は今平との2ショット。「僕のほうが、かっこいいよと言ってくれた」と父母のそんな息子びいきも自信に、いざ出陣した。

グリーン上でもたつく敵を横目に、5番で1メートルのバーディパットを沈めて先手を獲った。
序盤の1アップを駆使して、じわじわと追い詰めた。
11番は木の根元の2打目を右下4メートルにつける一撃で、2アップに成功。
3打目を、ピンそばにつけた13番では、今平がまた2メートルのバーディチャンスを外して3アップにこぎつけた。
16番で、長いパットを決められ2アップに戻されても反撃を許したのはそこだけ。
賞金1位に最終ホールも踏ませず17番で決着させた。

この日は、池田との3位決定戦に臨んだ5つ下のワナスリチャン(=写真左)と、互いに勝利を持ち帰って喜びも倍増だ。
母国の第一人者である大先輩のマークセンは3年前に、シニア入りをしてからレギュラーツアーは留守がちに。
28歳ながらクロンパが、タイ勢の最年長プロとして、まとめ役に奔走する日々が始まった。
「今年もQTから後輩が何人か来ており、責任感が沸いている」。
今までは、マークセンにおんぶに抱っこも「今度は僕が後輩たちに練習や、日本の生活習慣を教えていく番。僕が頑張らないと、後輩たちも強くなれない」。
自覚があるからこそ新顔のワナスリチャンのこの日の3強入りも、先輩として誇らしい限りだ。

オウンネームボールにはカタカナで「ネイマール」のプリント。
「もっと若くて痩せていた頃にはよく言われたので」。
自身も10歳までサッカーに熱中しただけに、ブラジルのスター選手のそっくりさんと言われて、こんな光栄なことはない。
今週7日は16年に結婚した妻の、そして次週13日にはキャディで幼なじみのトンさんの誕生日を控えて2人に何よりの贈り物も出来た。
優勝賞金5200万円を加えて、賞金ランクも2位浮上。
「日本のツアーでナンバーワンになりたい気持ちはある」とクロンパ。
親友の大躍進に、トンさんも興奮気味だ。
「タイに帰ったら、凄いニュースになっているんじゃないかな?」。
凱旋帰国に胸躍る。

※タイ選手の優勝歴
<チャワリット・プラポール(1勝)>
・2004 ANAオープン

<プラヤド・マークセン(6勝)>
・2017SMBCシンガポールオープン シンガポール
・2015ダンロップ・スリクソン福島オープン
・2013 Thailand Open
・2008 ダンロップフェニックス
・2008 〜全英への道〜 ミズノオープンよみうりクラシック
・2008 三菱ダイヤモンドカップゴルフ

<タンヤゴーン・クロンパ(1勝)>
・2018 ISPSハンダマッチプレー選手権
※タイ勢としては3人目の優勝、タイ勢の通算勝利数は8勝

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