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宮本勝昌のトークショーを開催(1月8日)

ファンにとってはもはや、新年の恒例行事となったこのトークショーも今年は、師匠が予言していた通りになった。昨年もちょうどこの時期に行われた際に言った。「来年のこのトークショーは、宮本の祝勝会になると思います」。自身が押した太鼓判が、現実のものとなったことが、芹澤にも嬉しい。「それこそがスポンサーの方々の、本当の狙いでもあったと思いますので」。

宮本が、大阪を中心に、京都と東京の3都市に展開するビジネスホテル「ハートンホテル」と所属契約を結んでちょうど10年目。8年前には、この新年のトークショーを企画された際には「これが毎年、宮本プロの祝勝会になれば」とのスポンサーの切実な思いがあったのは明白で、それだからこそ、師匠もヤキモキしたこの4年間。

“誤算”は、宮本にとってはツアー通算8勝目となった2010年の「日本ゴルフツアー選手権 Citibank Cup Shishido Hills」だったかもしれない。「あれは、5年間のシード権をもらえる大会なのですが・・・」(芹澤)。そのおかげでファンやスポンサーのみなさんをお待たせしてしまった。「5年の猶予をもらって、宮本は、そのあとしばらくのんびりしてしまった」。ちょっぴり怠け癖がついてしまった宮本の心に再び火をつけたのがほかでもない、偉大なる兄弟子の存在だったと芹澤も断言できる。

2012年に43歳にして、初の賞金王の座についた藤田寛之。「あの活躍に一番、度肝を抜いたのが宮本で、それから宮本は自分もやらなくちゃいけない、と・・・」。

「いや、本当に。今までもがーっと練習はするけど、そのぶん息抜きもがーっとするのが宮本さんで。それに対して僕は常にひつこくコツコツやるタイプ。それが、あるときから宮本さんも毎日コツコツやり出した」と芹澤の証言を引き継いだのは、当の藤田。ちなみにこの日1月8日に、ハートンホテル北梅田(大阪市北区)で行われたタイトルは「宮本勝昌トークショー2015」でも、その脇を固めるゲストは相変わらず豪華絢爛。“もれなく”チーム芹澤の面々がついてくるこのトークショーは、さらに“末っ子弟子”の上井邦裕も顔を揃えて、チームならではの包み隠さぬ“本音トーク”が何よりのウリ。

「いや、でも、宮本さんの努力だって、まだまだではあるんですけどね」と、笑いながら藤田。「それでも、あのスライスでなんと、去年は2勝もしてしまった!」。しかも、藤田が2年前に、大会史上初の3連覇を達成したツアー最終戦の「ゴルフ日本シリーズJTカップ」で、有終の美を飾ってしまった。「近頃の宮本さんの努力は僕の上を行く。さらに強い40代が出てきた」と、かくおののく藤田もまた昨年は、最多の3勝をあげる大活躍で最後まで、賞金レースを引っ張ったが実は、その原動力こそが、宮本であったと藤田はいうのだ。

「実はシーズン途中にですね、何を思ったのか宮本さんが、我々チーム芹澤の伝統の練習ドリルを久しぶりにやり出しまして。ティアップをしてスライスを打つ、という。それを見て、同じ練習をやり始めましたら僕もまた、勝ってしまいまして」と宮本が、9月のANAオープンで、CAさんとの悲願の記念撮影に興じたその翌週に、藤田は「アジアパシフィックオープン ダイヤモンドカップ」でその年3勝目を飾り、チーム芹澤が2週連続で表彰台を独占したのだった。

「・・・それってお前たちが、20年前に俺のところに初めて来たときに、教えてやったドリルだろう?」と、芹澤に念押しされて2人揃ってコクコク頷く。弟子入りした際に、最初に師匠から伝授された練習メニューが今年は、2人合わせて5勝の原動力になったとは。「まさに、僕らにとって昨年は、原点回帰の1年でした」と藤田に言われて、逆に感謝しきりの師匠である。

近頃は、弟子が活躍するたびに、レッスン取材が殺到してチーム内ではもはや当たり前となった伝統のドリルの数々も、いつしか世間では、「芹澤メソッド」などと言ってもてはやされるようになり、この春にも芹澤の名を冠したゴルフアカデミーも開講の運びとなった。
「おまえたちが活躍してくれると、オレの仕事も増えるから」と、ホクホクの師匠。

恩師へのさらなるご恩返しのためにも、いっそうの活躍を誓った弟子の面々。今年も兄弟子のために、新年早々に駆けつけたこのトークショーも「今日は僕はあんまり喋らんようにします」と遠慮がちに、肩身の狭かった上井。昨年は、悲願の初優勝はおろか、賞金ランクも69位にとどまり、いわゆる第一シードの上位60人にも入れなかった。今季こそ兄弟子たちを見習って「僕もコツコツ、がむしゃらにやります」と、挽回を誓った。

藤田は昨年2月に痛めた肩の療養のため、昨年末から丸20日間も完全休養を取り、つい前日の7日にようやくトレーニングを再開したばかりで「今年はまず体と、相変わらずブレたままのショットを治すこと」と、またゴルフ漬けの1年をスタートさせる。

そして宮本は、こちらも頑固に年頭の抱負は例年どおりに貫く。「1勝して、シリーズに出ること」。毎年、新年にファンの前で言い続けてきたことだ。「つまらないかもしれませんが、僕は今年もそれを目標に。ただ、今年はすでにシリーズの出場権がありますから、まずは次の11勝目を目指して、開幕戦から戦う」。
そんな宮本に、かたわらの藤田がすかさず「僕は、宮本さんより先に今年1勝をあげたいな」。2015年もチーム芹澤の面々が、ますます輝きを増しそうな新春である。
  • 今年は新たに書き加えられた「祝勝」の文字にも、スポンサーのみなさんの思いが滲む・・・!! ありがたいですね。
  • トークショーの前のサイン会もチームの共同作業?! 結束力の強さはこんなところにも!

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