前日水曜日に、腰を痛めた。本当は、コースを歩くのもやっとだ。あまりの痛みにこ の日初日はよほど「棄権しようか」とも考えたが、「僕の立場なら、這ってでも頑張 らんと・・・」。
ファイナルQT24位の資格で今年、ツアー本格参戦。現在、賞金ランクは128位。今 シーズン、出られるトーナメントも残りわずかだ。チャンスがあるなら、少しでもそ れを生かしていくべきだ。しかも、今週の会場は北海道。ここまで来ておきながらみ すみす高い交通費を、無駄にはしたくない。

「様子をみながら無理をせず、なんとかプレーしよう」思い直してスタートティに 立った。

前半の11番パー３こそ「３アイアンがうまく打てなくて・・・」右にシャンクさせ、ボ ギーが先行したが、恐る恐るのショットが「かえって効を奏したみたい（苦笑）」と 確実にフェアウェーをとらえ、スコアを積み上げていく。「今日は腹八分目のスウィ ング」と言いながらも、もともと、平均300ヤードを優に越える豪打の持ち主。右 ドッグレッグの５番パー５では、残り152ヤードの第2打を7アイアンで6メートルに乗 せ、イーグルも奪った。

ボギーは、はじめの11番だけにとどめて67で回って4位スタート。プロ野球界で通算 3000本安打の日本記録を持つ張本勲氏は遠縁に当たる。「緊張して、いまだ自分から“おじさん”に電話したことがない」と本人は恐縮する が、先日、勲氏が人づてに「茂は頑張っているらしいな」と話していたことを聞いた ことも発奮材料になっている。

「いつか堂々と報告できるようにもっともっと、活躍したい」。思わぬ好発進には、 腰の痛みも忘れて意気込んでいる。