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関西オープンゴルフ選手権競技 2015
デビューから2戦目の藤田大が5位タイに
アマチュア時代は、知る人ぞ知る選手。ゴルフを始めたのは17歳と遅かったが、才能が花開いたのは神奈川大学を卒業して、社会人になってから。
ゴルフ雑誌「ゴルフスタイル」で編集者をつとめながら、挑戦した2002年の日本アマで、宮里優作や藤島豊和ら、強豪を倒して頂点に。
そのほか2000年には日本オープンのベストアマなど、じわじわと頭角を現した。
その後、現在の所属先でもある、横浜カントリークラブに勤めながら、2009年の「日本ミッドアマ」を制覇。そこで、アマチュアとして見るべきものはすべて見尽くしたと思った。
「アマの世界におもしろみを感じなくなっていた。もっとレベルの高いところでやってみたい」。
一念発起は33歳のとき。「アマ時代から、収入は30%ほど減った」と当時は、4歳の長男と1歳の次男を抱えて共働きの妻の稼ぎと、自分のレッスン業でどうにか工面しながら、「家族の後押しを受けて」飛び込んだプロの世界。
今年のQTランクは308位とチャレンジトーナメントにすらほぼ登板の機会はないが、先週の日本プロは大会独自の予選会を突破して、ようやく出場のチャンスに恵まれた。
“デビュー戦”を経て、今週もやはり大会独自の予選会から勝ち上がり、これがプロ2戦目。
所属コースの先輩でもある、野仲茂らと2試合続けて練習ラウンドをこなす中で、「ショットの出来はどうでも、いかにスコアを作っていくか。とても勉強になった」と37歳にして学習の成果を、さっそく生かした。
せっかく、思い切ってプロゴルファーになった藤田だが、執着はあまりない。「アマ時代のプライドも、一切ない」。このまま芽が出なければ、きっぱりと足を洗うつもりでいる。
「何年かやってもだめならば、プロはやめる。目安はあと2,3年」。40歳をひとつ、区切りに「今は、後先考えずに、目の前のことを一生懸命やっとかないと」。
藤田は藤田でも、「大」と書いて「ふとし」と読む異色プロが、ひたむきにコースを歩く。