ジャパンゴルフツアー選手会会長の石川遼を筆頭とした若手男子プロが男子プロツアーを盛り上げようと発案し、今年からスタートした「フューチャーGOLFツアー」。大相撲の地方巡業をモデルとし、ツアートーナメントが開催されていない地域に選手が出向き、男子プロの技術や迫力を体感してもらい、ゴルフの普及、ゴルフファンの増加につなげること、そして地域活性化を図ることが目的だ。
その「フューチャーGOLFツアー」第4弾(7月の広島大会・岡山大会は西日本豪雨の影響を受け延期)、「埼玉縣信用金庫Presents 創立70周年記念 フューチャーGOLFツアー in 埼玉」が12月15日(土)と16日(日)の2日間、森林公園ゴルフ倶楽部で開催された。
大会は、初日プロアマ、2日目は埼玉県内のジュニアゴルファーとのラウンドが行われたが、プロも36ホールストロークプレーでのトーナメント戦を行っており、真剣勝負のハイレベルなプロの技術や迫力を見せてくれた。
一緒にラウンドしたジュニアゴルファーにとっては、最高の1日になったに違いないが、「フューチャーGOLFツアー in 埼玉」のジュニアゴルファー育成はそれだけに留まらない。地元ジュニア、埼玉県の正智深谷高校のゴルフ部の学生に、プロのキャディを担ってもらう事で、プロのゴルフを間近で見て直接接し会話をする等、学生たちの成長にもつながったはずだ。
石川遼と共にラウンドした埼玉栄高校1年生の岩井千怜(いわい ちさと)さんは、「昨日、石川プロと回ることが決まって、今までに経験した事がない緊張感でしたけど、本番を想定して練習した方がいいよとアドバイスをいただき、とてもいい経験になりました。将来は石川プロのように、見る人を楽しませるプロゴルファーになりたいです。」と振り返った憧れの選手とのラウンドは、今後の岩井さんのゴルフ人生にとって、大きな1ページになったはずだ。
一方、フューチャーGOLFツアー初の試みとなった、プロのキャディを担ったジュニアゴルファーにも感想を聞いてみた。
星野陸也のキャディを担当し、18ホールを回った正智深谷高校2年生の寺辻真生(てらつじ まお)くんは、「星野プロは飛距離のイメージが強かったけど、実際はショットも曲がらないし、どういう練習をしているかなど教えて頂きました。その他にも、全米オープンの話や初優勝の時の話、海外の選手がどういうクラブセッティングで臨んでいるかなど、いろんな話を聞くことが出来ました。」いずれは、レギュラーツアーに出て海外でも戦いたいと言う寺辻くんが、星野とツアートーナメントの場で優勝争いをすることに期待したい。
大会の総括記者会見で石川は、「ジュニアに見られているのがすごく伝わってきたし、普段よりもいいボールを打ちたいなという気持ちがありました。僕がジュニアの時、ジャンボさんや中嶋さんのゴルフを見た時の衝撃は今でも覚えているし、僕もジュニアの子達にとってそういう瞬間にいることが出来たらと思います。」と振り返ったが、今回参加したジュニアゴルファーや、プロキャディを担った正智深谷高校の生徒たちにとって、間違いなく忘れることの出来ない思い出になったに違いない。
尚、36ホールストロークプレーで行われた、プロの部は大槻智春が、トータル9アンダーで回り優勝を果たし、2018年の締めくくりを飾った。
石川が会見時にフューチャーGOLFツアーの継続を誓ったように、ジュニアゴルファー育成、ゴルフ界の活性化、そして社会貢献の為、ツアープレーヤー達にオフはない。
<フューチャーGOLFツアー in 埼玉 最終成績>
<優勝>大槻智春 −9
<2位>石川 遼 −8
<3位>香妻陣一朗 −7
<4位>出水田大二郎 −6
<5位>星野陸也 −4
<6位>堀川未来夢 −2
<7位タイ>浅地洋佑 −1
<7位タイ>梅山知宏 −1
<9位>竹安俊也 +3
<10位>中里光之介 +4