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まさに新星! QT1位のリッキーこと星野陸也の2017年

外国人選手にまぎれても、頭ひとつ抜けている。人もうらやむひょろりと186センチの長身は、なかなか目立つが本人は、実は「もうこれ以上、伸びたくない・・・」。二十歳の年頃には人知れず、不便を感じることもあるようだがそれでも、本業においては大きなアドバンテージであるのは確か。

妹の葉子さんと同い年という縁もあり、小学時代から親交がある兄貴分の石川遼も一目置く300ヤード越えの飛距離も、本人のこだわりはもはやそこではなく、むしろ「曲がらないショットが武器」と、昨年12月のファイナルQTでぶっちぎりのランク1位の勢いを、今季初戦でさっそく証明してみせた。

1月。「SMBCシンガポールオープン」を6位タイで飛び出すと、「レオパレス21ミャンマーオープン」では9位タイ。海外2戦で2週連続のトップ10入りを果たして、初春からさっそく今後の伸びしろを大いに予感させた。

幼少期から、恵まれた体格を生かしてスポーツ万能だった。石川に「アプローチのバリエーションを増やすように」と言われて、中学時代にハマった卓球のラケットさばきを応用してみるあたりにその片鱗を覗かせる。

昨年8月のファーストQT受験を機に、プロ転向を決意した。「ゴルフと勉強と、中途半端になるのは嫌」と2年通った日大も、その夏に潔くやめてしまった。

そこから順調に勝ち進み、とんとん拍子で2017年を迎えて「正直、ここまで上手くいくとは」と、本人は半信半疑で、いよいよ4月の国内開幕戦までオフの調整にも余念がない。

2月、3月は先輩プロらと暖かいところで合宿を張りながら、QT1位の資格だけでは出場権には届かない中日クラウンズや日本プロの予選会にも挑戦するなど、自力でますます出番を増やしていく計画だ。

今季初戦で日本を発つ前に、成人式に参加。同級生と久しぶりの再会で、互いの進路を確認し合う中で「自分は大好きなゴルフを仕事に出来る幸せを感じた」。
人生の門出を前に、思いも新たに新シーズンを迎える。

石川は、星野を“リッキー”と呼ぶそうだ。
「僕も、遼さんみたいに海外で活躍できる選手になりたい」。
世界進出を目指す“和製リッキー”が、大きな一歩を踏み出した。

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