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ノリノリ、ノリスの近況報告

弟と、亡き父に捧げた昨年大会©JGTOimages
昨年、今平周吾との賞金王争いで、2年連続の賞金2位に終わった南アのショーン・ノリス。今年は、リベンジといきたかったまだ1試合も日本ツアーに出られていない。昨年、涙のシーズン初勝利を飾った「バンテリン東海クラシック(10月1日ー4日、愛知県・三好カントリー倶楽部)」も今年は開催中止に。ノリノリ、ノリスは今、どこで何を思う??

母国の南アフリカは、もっとも厳しい感染防止政策を実施してきた国のひとつだ。
3月末にロックダウンが始まってから、最初の2か月はほとんど外出もできず「練習も、コースにも行けなかった」と、ノリスはいう。

自宅でのほぼ缶詰状態からようやく抜け出せたのは、7月中旬。
キャディをしてくれた弟で、プロゴルファーのカイルさんと共に、「WGCフェデックスセントジュード招待」と「全米プロ」、そして9月の「全米オープン」の米3戦にあわせてようやく渡米したものの、当地での隔離期間も含めて何かと不便な生活は続いた。

「特に、全米オープンのウイングドフットは、今までの人生で、一番難しかったコースでしたし、もう少し調子を整えてから臨めればよかったのですが」。
練習不足は否めず、メジャー2戦とも決勝ラウンドに進めなかったのは残念だったが、「この大変な状況の中でも参加できたことは、素晴らしい経験」。
余韻を手に今週は、今ごろ日本で連覇を狙っているはずだった。
「昨年は、特にその3か月前に父を亡くしたところでしたし、弟のカイルがキャディとして支えてくれた優勝だったので、今でも非常に心に残っています」。

兄弟で力を合わせて亡父にツアー通算4勝目を捧げた。思い出深い「バンテリン東海クラシック」も、今年は中止に。

また、昨シーズンは今平周吾と2年連続のマネーレースを繰り広げて2年連続のランク2位に終わった。
今度こそ、賞金王獲りを3度目の正直とするはずだったが、コロナ禍で、今年はまだ日本ツアーに1試合も出られていない。

「日本ツアーに参戦した2016年から毎年、1勝しているのでこの記録を続けたいんです」と、切望していたノリスのもとに、吉報が届いたのは先月。

日本政府から、「海外に住むツアーメンバーの入国に関して優先的に扱う」との通達が選手会に届いた。一斉メールの受信を受けて「今年中に1、2試合は日本でプレーしたい!」と、新たなビザ発給の申請など、ノリスも急いで来日の準備を始めた。

コロナ禍で翻弄される、旅から旅への毎日だ。
今週はきゅうきょ、推薦での出場が決まった欧州ツアーの「スコットランドオープン」に挑戦。このあと、再びアメリカに戻って今年は米開催となった「ZOZOチャンピオンシップ」に出場予定。
そして、渡航の書類が整えば、いよいよ日本へ。
実現すれば、クリスマスまで家には帰れない。

間もなく2歳になる長男・ジェイデン君は可愛い盛り。
「最近は、成長も著しい」と、会いたい気持ちをこらえてノリノリ、ノリスは旅ガラス。
「日本でプレーすることが大好きなので。日本のファンのみなさんが恋しい。本当なら今すぐにでもみなさんと、再会したい気持ちです」。
本来の開催週に、昨年覇者の思いは募る。

※特別番組のお知らせ
10月4日(日)の16時05ー17時35に、東海テレビ・フジテレビ系全国ネットで「バンテリン東海クラシック 特別編」として世代別ペアマッチ「最強世代は俺たちだ」が放送されます。
番組では、20代代表の星野陸也&時松隆光と、30代の片岡大育&秋吉翔太、40代以上ペアとして藤田寛之と、宮里優作が対決。
開催コースの愛知県・三好カントリー倶楽部を舞台にスコアや飛距離、ニアピンなど激戦を交わして”最強世代”を決定します。
お楽しみに!!
  • 思わず泣き崩れた昨年大会。三好に静かな感動が広がりました。©JGTOimages
  • 息子のジェイデン。ちょっと見ない間に、どんどん大きくなっていきます。会いたい気持ちを我慢!(写真は昨年11月)©JGTOimages

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