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パナソニックオープン 2016

重永亜斗夢は一時トップも

故郷に愛する人たちを残していても、コースに出れば、アトムはちゃんとプロゴルファーの顔になっているつもり。「熊本のことと、ゴルフのことは割り切ってます」。前半は2アンダーで折り返し、10番から3連続バーディを奪った。

一時は5アンダーで、リーダーボードの一番上に居座った。永野と並んでアトムも、国内開幕から2週連続の首位発進と思われたが、しかしすぐに名前が消えた。13番から連続ボギーを打って失速すると、18番では木に当たって跳ねた2打目は池。
ダブルボギーの18番に「つまらないゴルフをしてしまった」と、不甲斐ない自分を責めた。

「日に日に不安は解消されつつある」という故郷、熊本。
「いつまで余震が続くか分からないけど、家族も無事なので何よりです」。先週は、幼なじみの永野とともに大健闘の4位に、「身近な方々からは涙が出た、とか感動したとかいう言葉をもらった」。

思った以上に多くの方々が、自分たちのゴルフを見ていてくれた。「これも先週から今日まで多くのメディアの方々が、自分や竜太郎のことを取り上げてくれているからこそだと思うので」。

初日は1アンダーの17位タイでも、テレビインタビューに呼ばれてカメラの前で、感謝の思いを述べるとともに、「でも第3者の方からすると、“もっと頑張れよ”と言われているかもしれません」と、そう思えばこそ、2週続きで初日の首位発進に成功した永野に引き替え、アトムはこの日の後半の失速が悔しい。

ショットの不振は相変わらずだが、「こっちのことはいいから集中して」。そう言って応援してくれる家族のためにも、永野に負けじと引き続き踏ん張りたいところだ。

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