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メルセデスの名のもとに。今季、星野陸也が目指すもの
99年から年間表彰の対象とされる「トータルポイントランキング賞」は、
「平均ストローク」と「平均パット」「パーキープ率」「パーオン率」「バーディ率」「イーグル率」「平均飛距離」「フェアウィキープ率」「サンドセーブ率」の主要9部門の順位をポイント化して算出、各順位を合計してもっとも数字が少ない選手が1位となる。
賞金ランキングとは別に、選手の総合力が問われる重要なタイトルのひとつである。
同賞が「メルセデス・ベンツ トータルポイントランキング賞」と改称されたのは今季。メルセデス・ベンツ日本とJGTOとのオフィシャルパートナー契約締結を受けて、今年の受賞者には「メルセデス・ベンツSクラス」と賞金が贈られると知った瞬間から23歳の野望はたちまち上昇。
今まで以上にデータ収集と分析に、拍車がかかっているという。
若き飛ばし屋は、初戦からさっそく数字とにらめっこ。
「今年は、フェアウェイキープが足を引っ張っていた。そこをまずは上げること」と、より飛んで曲がらないショットを追求。
さらに「パッティングとサンドセーブ率。そういう面でも重視してやって、そこをまず上達させて目の前の一つ一つをクリアして、もう1勝する」と、昨年のフジサンケイクラシックに続くツアー2勝目を目指した結果を6月の「ダンロップ・スリクソン福島オープン」でのホストVにつなげた。
今季は、ほかにも発奮材料がてんこ盛りだ。
10月には、日本初開催&日米共催の米ツアー「ZOZOチャンピオンシップ(10月24日〜27日、千葉県・習志野カントリークラブ)」がある。ウッズも参加を表明した大一番には日本ツアーからは賞金ランキングの上位10人が選出され、「絶対に出たい」と、さっそく年頭から1年の計に盛り込んだ。
昨年、自己ベストの7位につけた賞金ランキングも「最終的な目標は、去年みたいに賞金王争いをして賞金王になること」。
上昇志向がハンパない。
2週連続優勝がかかった前戦の日本プロゴルフ選手権では2打足りず、石川と黄(ハン)とのプレーオフにも進めず悔しがったが単独3位で、”ZOZOランキング”は4位に。
そしてこだわりの”メルセデスランキング”はついに1位に浮上!
”天下獲り”に向かって着々と、実績を積み重ねている最中だ。
186センチと恵まれた身長ながら、昨季は開幕からわずか一カ月で一気に体重を6キロも落とすなど、スタミナ不足を反省して今年は鍛えに鍛え、食べに食べる。
スタート時間が昼前など中途半端な日はつい朝昼食を兼ねたり、食事を抜きがちだったが、健康ゼリー等で補給を忘れず「今はラウンド後も食べて、そのあと夜も食べるようにして」。今は自己マックスの78キロ。
「今年は80キロを目指して体重も順調に”成長”してます!」。
2016年の20歳でのプロ転向時に本人も、”語彙力不足”を気にして同事務所の先輩、石川の巧みな話術をひそかに研究したり、今でもときどき天然なコメントで笑わせてくれるがそれでも最近は、すっかり取材対応にも慣れてきた。
陸也(りくや)の名前をもじって、先輩プロから”リッキー”の愛称で親しまれる。
ますます赤丸上昇中……!
星野は「次は(石川)遼さんと、同じ組で優勝争いができるように頑張りたい」。
男子ゴルフの人気を先輩一人に背負わせない。